みなみの香草屋 Blog

自然と共に共存し、植物の持つすばらしい力を借り、心身共に健康で過ごせるための、植物療法(フィトテラピー)について

メラニン

2009年07月16日  日中の活動と炎症と色素沈着との関係
2006年11月02日  メラニンとストレス
2006年11月01日  メラニンの役割と生成

日中の活動と炎症と色素沈着との関係

○ 履歴 : 2007「2007.07.16 同級会を終え秋田へ気温データなし
○ 履歴 : 2008「2008.07.16 iPhone の導入とその後 その2最低 19.0 最高気温は 27.1
○ 気温 : 今日の 最低 21.0度(02:26) 最高 22.8度(09:02)

今日の朝は、昨日と全く同じ最低気温を記録し、昨日と同じようなどんよりとした曇り空でした。同じ気温なのですが、体感温度は全く違っていました。

ただ、とても湿度が高い感じがして風も結構強かったようです。その気温も、湿度の高い環境もほぼ変わらずに一日が過ぎました。最高気温の 22.8度も午前 09:02 に記録し、午後 09:00 の気温でも 21.5度と、21度から22度で推移し、やや半袖では肌寒い感じがしました。

今日は、午前中に、アロマのセミナーでした。下の写真は、セミナー終了後に食べたお昼ご飯です。カボチャのレーズンサラダ、ササギ、そして、晩ご飯にも登場したポテトコロッケの具でした。

20090716カボチャのレーズンサラダ 20090716ササギ 20090716ポテトコロッケの具

ご飯は、納豆ご飯、そして、夕顔とスペアリブのスープでした。

山に行こうと思っていましたが、雨が今にも降り出しそうな天気だったので、取りやめにしました。

上の写真、右と、下の写真は、今日の晩ご飯です。ノリの佃煮のように見えますが、シソの葉のみそ炒めご飯です。

20090716夕顔とスペアリブのスープ1 20090716納豆ご飯 20090716シソの葉の味噌炒めご飯

そして、お昼に登場した「ポテトコロッケの具」を油揚げに包んで作った「なんちゃってコロッケ」。

外側がカリカリして油揚げ独特の味と食感、そして、コロッケの組合せ、とっても美味しかったです。中央は、ササギとトマトのサラダ、そして、ジャコ入りナスのしょう油煮です。カボチャのサラダも添えられています。

左は、お昼にも食べた夕顔とスペアリブのスープです。

20090716なんちゃってコロッケ 20090716ササギとトマトのサラダ 20090716夕顔とスペアリブのスープ2

先月、東京出張の折りに、とても興味を持って読んだ記事がありました。それは、肝斑や美白にまつわる特集の載った雑誌でした(家庭画報 2009.06、2009.07月号)。

メラノサイトが作り出すメラニンの生成に関連して、

● メラノサイト(色素形成細胞)
○ メラノサイトで産生されるメラニン(抗チロシナーゼ作用の期待)
・産生にかかわっている酵素チロシナーゼ
・メラノサイト内でのシグナル伝達
○ メラノサイトに存在する受容体(メラノサイト刺激物質抑制の期待)
・肥満細胞とヒスタミン
・線維芽細胞とメラノサイト増殖因子(MGF)

など、どの段階で、どの過程で、どのようにして産生されるのかが詳しく載っていた事は、2009.06.24 肝斑や美白にまつわるいろいろな記事 1でも投稿しました。

今日は、それらの事柄をまとめてみて、改めて思ったことを記事にさせていただきました。それが、今日のブログタイトルの「
活動性と炎症と色素沈着との関係」です。

色素沈着は、メラノサイト(色素形成細胞)の活動によって、チロシンというアミノ酸の一種から、酸化酵素の働きにより「
メラニン」が作られ、それが、ターンオーバーのサイクルの中で、還元帯で還元され、酸化帯で本来の肌の色まで酸化され、フケやアカなどに代謝されるものが、表皮細胞に沈着する事で起こりました。

もちろん、真皮にたん落したメラニンは、マクロファージが処理して跡形を残さないのが本来ですが、そのマクロファージがメラニンを残したまま居座ってしまっても色素沈着は起こりました。

エステティックでは、前者は、表皮に起こる色素沈着という事で、表皮性(浅在性)の色素沈着、後者は、真皮性(深在性)の色素沈着といわれています。

2006.11.01 メラニンの役割と生成でも投稿しましたが、生体の合目的性を持ったメラニンの生成は、生体防御の一連の過程でなくてはならないものです。

ところが、色素沈着が、いろいろな原因によって起こっているとなると、それを引き起こした原因や生成の仕組みを理解した「対応」が必要となります。それらの仕組みを理解して、メラニンの生成から沈着に対して、どのような考え方で化粧品の処方が考えられているかなどを紹介していたのが、先ほどの雑誌の内容でした。

雑誌の中では、主に、三つの事柄にポイントが置かれていたようです。

1. メラニン産生を促進させる活性因子の抑制
2. チロシンを酸化させメラニンを産生させる酵素チロシナーゼの抑制
3. 産生されたメラニンの還元

が、そのポイントですが、

1. メラニン産生を促進させる活性因子の抑制では
○ 表皮
・炎症を起こした表皮細胞からプラスミン
・カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)〜血管の拡張や炎症にも関係
・一酸化窒素(CO)〜 血管の拡張という血管系調節機能に関係
・プロスタグランジン E2 〜 血管拡張や炎症に関係
・インターロイキン-1α 〜 炎症に関係
○ 真皮
・線維芽細胞からのメラノサイト増殖因子(MGF)
・炎症の初期段階に肥満細胞から放出されるヒスタミン
・プロスタグランジン E2 〜 血管拡張や炎症に関係
・インターロイキン-1α 〜 炎症に関係

などがあげられており、プロスタグランジン E2 やインターロイキン-1αは、紫外線などの刺激を受けることで、「表皮や真皮」からもメラニン産生を促進させる因子として関係しているそうです。

また、メラノサイト増殖因子(MGF)とインターロイキン-1αは、加齢によってその放出が増える事が分かっているそうですから、インターロイキン-1αは「
紫外線」だけではなく「加齢」とも関係している因子という事になりそうです。

2. チロシンを酸化させメラニンを産生させる酵素チロシナーゼの抑制では
○ 酸化酵素の抑制
・数回の酸化反応を経て産生
・その過程で起こる酸化に種々の酵素が関与
・主にチロシナーゼをターゲットに抑制

と、いろいろな刺激によって「表皮や真皮」から種々の「メラノサイト活性化因子」が放出され、それらがメラノサイトを刺激してメラニンが作り出され、そのメラニンの産生に酸化酵素であるチロシナーゼが関係しているという事柄から、いろいろな対策が講じられることになります。

下記の図は、今までの事柄を簡単に図式化したものです。

20090716色素沈着

図を眺めていると、色素沈着を引き起こすいろいろな「メラノサイト活性化因子」や、メラノサイトが作り出す「メラニン」に目が行きますが、結局のところ、何故「メラノサイト活性化因子」が作り出されるのかを考えたとき、「炎症」という症状にとても重要なポイントを見いだす事ができそうです。

2系統のプロスタグランジン E2 は、アラキドン酸からが合成され、「
炎症」にとても複雑に関係する物質でした(2005.12.31 体調とプロスタグランジン)。

最近の研究では、プロスタグランジン E2 を受け止める EP4 という受容体が T細胞(Th1、Th17)にあり、その刺激を受けて T細胞が増殖や活性化を示し、組織破壊や炎症を引き起こすことになるという事がいわれているようです。

また、一酸化窒素は、「血管を広げる」という「血管系調節機能」のみならず、サイトカインといわれる細胞間の情報伝達物質や、局所ホルモンといわれるプロスタグランジンなどとも相互関係を持っていました(
2007.06.06 一酸化窒素からの連想ゲーム)。

インターロイキン-1α は、主に単球(組織ではマクロファージ)が作り出すサイトカイン(サイトカインについては
2007.03.22 脳内リセットに喜哀楽と深い眠りを参照)で、炎症や生体防御に深く関係していました。

その他の「
メラノサイト活性化因子」も、「炎症」と関係が深いようです。

福田安保理論では、自律神経と免疫の法則の中で、高気圧の天気のいい日中に、生物は活動するため、けがをしやすく、そのための防御システムとして、顆粒球の働きをあげています。交感神経が優位になる日中に、顆粒球が連動して活発になり、その傷から進入した異物をやっつける、という生体の合目的性があるからだといわれています。

また、交感神経が優位になることは顆粒球の関係だけではなく、メラニンの産生やストレスホルモンの放出、そして、痛みを癒してくれる物質など、同じ日中に関連して活性化している事も見てきました(
2006.11.01 メラニンの役割と生成)。

このように見てくると、やはり、刺激を与えている原因に対する理解がとても重要となってくるようです。いろいろな原因がある中で、その代表が

○ 外側
・紫外線
○ 内側
・ストレス

をあげる事ができますが、どちらも活性酸素と深い関係にありました。炎症の裏側には、活性酸素の影響が見え隠れしているようです。そうなってくると、抗酸化という考え方も重要となります。

このように考えていくと、いかにして、いろいろな状況に応じた対応ができるのかが、色素沈着の改善に必要な事柄となってくるかと思います。

ハーブや精油、濃縮エキスなどの植物素材や、それらをベースにした化粧品、そして、栄養管理など、植物療法(フィトテラピー)では、いろいろな選択肢を備えていることになりますね。

● 関連記事
福田安保理論関連の目次
2009.06.24 肝斑や美白にまつわるいろいろな記事 1
2007.08.31 トラネキサム酸の抗プラスミンと肝斑
2007.06.06 一酸化窒素からの連想ゲーム
2007.03.22 脳内リセットに喜哀楽と深い眠り
2006.11.02 メラニンとストレス
2006.11.01 メラニンの役割と生成
2006.10.18 AMPの若返り効果と植物療法
2005.12.31 体調とプロスタグランジン
2005.12.27 プロスタグランジンと栄養素
2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論
2005.12.21 脂肪酸とプロスタグランジン

メラニンとストレス

● ひまわりが勝手に選んだ植物療法関係の記事一覧です(月別に並べてあります)
植物療法に関係のある記事のもくじ(2005.06.04 〜 現在まで)

昨夜はとても冷え込みました。朝起きると、とてもいい天気。日のさすところは、ポカポカなんですが、部屋の中はとても寒く、午前中は、ストーブをしました。それもそのはず、今日の秋田市の最低気温は、今シーズン一番の冷え込みだったとの事です。

放射冷却によって、3.1度と十一月下旬並の寒さに。霜の話題が秋田市でも伝えられていましたが、「初霜」は観測されなかったんですって。気象台のあるところで観測されなかったためなんだそうです。

20061031ナメコ 20061101ナメコ丼 20061101野菜スープ

上の写真、左は、セミナー受講生の方にいただいたナメコ。そのナメコを使ったナメコ丼が中央の写真です。右は、野菜スープ、どれも昨夜の晩ご飯でした。

20061102野菜雑炊 20061102柿 20061102ズッキーニ

上の写真、左は、お昼に食べた雑炊。これには、モチ、ジャガイモなどの他に、トマトが入っていて、その酸味がひまわりのお気に入り。中央は、山から収穫した柿の実です。右は、ズッキーニ。これも、ナメコをいただいたセミナーの受講生の方からの差し入れでした。このズッキーニはどんな料理になるのでしょうか。

昨日は、
2006.11.01 メラニンの役割と生成についてブログを書きました。その中で、

・外界から受ける有害光線を防御する仕組みが、生体には備わっている
・高気圧の天気のいい日中に、生物は活動するため、けがをしやすく、そのための防御システムを用意している
・顆粒球の働きや、メラニンの産生やストレスホルモンの放出、そして、痛みを癒してくれる物質
・外へ出て動き回るという生物の行動と連動して、メラニンを作る準備をちゃんと用意

などを冒頭で書きました。この仕組みを、今日はちょっと見てみたいと思います。

昨日投稿した部分のリストを書き出しましたが、ポイントは、交感神経、顆粒球、ストレスホルモン、メラニンの産生、痛みを癒す、という点でしょうか。驚くなかれ、これらの働きは、人間が外で活発に活動するために、同じレベルで連動して働くような仕組みが働いている、ということです。

交感神経と免疫細胞の顆粒球については、すでに、福田安保理論との関連で何度もこのブログに登場しています。そこで、その他の項目について見てみたいと思います。ストレスを生体が感じ取ると、視床下部は、自律神経系や内分泌系を介して、恒常性の維持に働きます(
2006.10.15 交感副交感神経そして交副感神経)。神経系や内分泌系は、生体の恒常性維持のために、いろいろな組織や器官に伝達物質を放出して、その情報を伝える役割をになっています。

今回のストレスホルモン、メラニンの産生、痛みを癒すという、生体の恒常性のために伝達物質として働いているのがホルモンです。通常、ホルモンは、1種類の遺伝子から、1種類のホルモンが合成されるそうですが、複数のホルモンを合成する場合もあるそうです。この場合、複数のホルモンのもとになる1個の前駆体から別々のホルモンが合成されるんだそうです。

今回の場合が、まさに、1個の前駆体から複数のホルモンが合成される例です。

・ストレスホルモン〜副腎皮質ホルモンを刺激する「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
・メラニンの産生〜メラニン細胞を刺激する「メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)
・痛みを癒す〜神経細胞の興奮を抑制する「エンドルフィン(β-エンドルフィン)
・その他に、脂肪分解や作用やメラニンの沈着などに作用する「リポトロピン(LPH)

などが、1個の前駆体から合成されて、おのおのの情報伝達にかかわる事になります。その前駆体が、プレプロオピオメラノコルチン(POMC)と呼ばれる糖タンパク質です。生体にストレスや環境の変化などが加わったとき、それに応じた神経の刺激によって、POMC遺伝子から、プレプロオピオメラノコルチンが合成されるんだそうです。これが次の複雑な過程を経て、上記 POMC関連ホルモンが合成されます(実際には、もっと数多くのホルモン、例えばα-MSH、β-MSH、γ-MSHなどなど)。

どれもが、生体がストレスに反応して合成されるホルモンであり、それら複数のホルモンは、1個の前駆体であるプレプロオピオメラノコルチンから作られているわけです。これら複数のホルモンを別々に合成するよりも、ある目的に応じたおのおののホルモンを、1つの前駆体から合成してしまうという、生体の素晴らしい仕組みに改めて驚かされてしまいす。

交感神経の支配を受けて、活動的に野山を駆け回って獲物を捕獲するという状況で、生体は、

・傷ができたとき、そこから侵入する異物を顆粒球が処理し、
・副腎皮質刺激ホルモンを放出することでストレスに対応し、
・メラニン細胞刺激ホルモンを放出することで紫外線や外部の刺激から皮膚や細胞を防御し、
・β-エンドルフィンによって痛みなどの不快感を和らげる

という、恒常性を保つための統一のとれた生体防御機構を備えています。ここでブログタイトルの「メラニンとストレス」ですが、いかがでしょうか、ストレスなど、生体の内部環境に影響を与える刺激は、恒常性を保つために、メラニン細胞刺激ホルモンもまた、副新皮質刺激ホルモンなどと一緒に、同じ前駆体である「プレプロオピオメラノコルチン」から合成され、放出されています。

よりストレートに表現すると、ストレスがメラニン細胞刺激ホルモンを放出させ、肌の色を黒くする、ということになります。このように、ストレスとメラニン産生の仕組みを理解する事で、皮膚のトラブルである「色素沈着」を引き起こす要因の一つに「ストレス」がかかわっているという事がわかります。

このような条件下で発症する色素沈着に対して、あるメーカーでは、ビタミンB混合物の皮膚外用によって抑制された、という研究を発表していました。植物療法では、そういった色素沈着の「要因や原因」を理解し、その原因や、そのために起こっている皮膚のトラブルを改善するために、どのような植物素材(もちろん栄養素も含みます)を選択し、どのように適用するのか、がとても大切になってきます。ここに、体質のことも勘案しないといけませんから、もっと複雑になってきます。

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2005.11.16 肌質は条件によって違うもの
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2005.08.17 肌や身体と季節の関係

メラニンの役割と生成

● ひまわりが勝手に選んだ植物療法関係の記事一覧です(月別に並べてあります)
植物療法に関係のある記事のもくじ(2005.06.04 〜 現在まで)

今日から 11月。月始めの秋田の朝は、快晴。ただ、すぐに曇り出し、午前中はどんよりとした曇り空。その天気も、午後から回復し青空の広がるいい天気へ。

それでも、外は本来の寒さへ戻ったようで、光のあたる場所へ移動すると、とても暖か。今までは、光の当たる場所は避けていたのに。北海道の一部からは、初雪のたよりも届いています。

20061101カレンダー 20061031豚肉のショウガ焼きの野菜炒め 20061031ミニミカン

カレンダーをめくったら、もう真っ白な雪の絵があらわれました。二ヶ月づつ進むカレンダーには、もう冬の季節が巡ってきました。この絵は、「会津の冬(75)喜多方」です。斎藤清美術館で買い求めたカレンダー。上の写真、中央は、昨晩のおかず、豚肉のショウガ焼きの野菜炒め。右は、岐阜の友人から届いたミニミカン。実家から届いたリンゴの大きさと比べてみて下さい。

20061031栗の缶詰め 20061031栗むき 20061101むいた栗

上の写真、左は、栗の缶詰めです。中央、ばっぱが夜なべして栗をむき、むき終えた栗が右の写真です。このように、一つ一つ栗をむいて、缶詰めを作りました。

20061101紅葉 20061101紫式部 20061101クモの巣

上の写真、左は、秋田市内のケヤキの木の紅葉の風景。近くには、葉の色が真っ赤になったケヤキ(たぶん?)があったり、桜並木があったりと、今が紅葉の一番の季節。中央、紫式部。右は、歩道を歩いていたときに発見したクモの巣。2メートル以上もの高さにある巣ですが、何日か前から気になっていました。

暖かな日ざしが恋しくなった今日この頃ですが、その日ざしには、有害光線が含まれています。この季節、オゾンホールが最大になるそうですし、紫外線の光線も長波長が多いのが特徴です。本当は、その日ざしを避けないといけませんが、暖かな方、暖かな方へと身体がかってに進んでしまいます。

そのために、そのような、外界から受ける有害光線を防御する仕組みが、生体には備わっています。それが、今日のブログのテーマ「メラニン」です。メラニンは、外側の刺激を受けとめ、生きた細胞の核を守るためになくてはならない防御システムです。

福田安保理論では、自律神経と免疫の法則の中で、高気圧の天気のいい日中に、生物は活動するため、けがをしやすく、そのための防御システムとして、顆粒球の働きをあげています。交感神経が優位になる日中に、顆粒球が連動して活発になる、という生体の合目的性があるかからなんでしょうね。

おもしろい事に、交感神経と顆粒球の関係だけではなく、メラニンの産生やストレスホルモンの放出、そして、痛みを癒してくれる物質など、同じ日中に関連して活性化しているから不思議です。これは、もともと、外へ出て動き回るという生物の行動と連動して、メラニンを作る準備をちゃんと用意しているかのようです。

実際に、外界からの有害光線などにさらされたとき、体内への進入を防御するために、その刺激に応じてメラニンの産生が活発化してきます。このように、メラニンは、生体を防御するためになくてはならないものということを、まず理解しておかなくてはいけません。

何でも、紫外線という刺激を受けた表皮のケラチノサイトが、その情報をサイトカインという情報伝達をお手伝いする物質の一種である「エンドセリン」を放出する事によって、メラニンを産生するメラノサイトを活性化するそうです。ケラチノサイトは、表皮にある細胞のうち、メラニンを作るメラノサイトを除いた細胞で、90%以上を占めている細胞です。

下の図は、メラニンを作るメラノサイト(色素形成細胞)をあらわしています(図は IPA 国際植物療法協会の資料を参照)。このメラノサイトは、基底細胞層の細胞の間に、10個に 1個の割合で配置されています(現在では、もっと多くの基底細胞の数に対して 1個の割合ともいわれているようです)。

20061101メラノサイト

メラノサイトは、メラニンを産生する細胞ですから、色素形成細胞ともいわれています。この細胞の中では、チロシンというアミノ酸の一種からメラニンが合成されます。小さい図で見づらいのですが、メラニンはメラノソーム(メラニン顆粒)と呼ばれている顆粒の中に作られ、木の枝のように伸びた突起の先端まで送り届けられます。

下の図は、アミノ酸の一種、チロシンが、どのようにメラニンへと変化していくのかをあらわしています。図でもおわかりのように、チロシンを酸化させる「酸化酵素チロシナーゼ(チロジナーゼ)」によって、段階的にメラニンへと変化していきます。

20061101メラニンの産生

メラニンには、二種類のタイプがあるようで、茶色から黒い色をつけるユーメラニンと、黄色から赤色を示すフェオメラニンに分類されるようです。スタートラインは、チロシン。そのチロシンが、チロシナーゼという酸化酵素によって、複雑な過程を経てメラニンになっていきます。ただ、ドーパキノンというところで、分岐して、一方は、フェオメラニン(黄色色素)へ、片方は、インドールキノンからユーメラニン(黒色色素)へと合成されます。

ユーメラニンが通常よくいわれている「メラニン」で、フェオメラニンは、人や動物の毛や羽に分布しているそうです。また、皮膚にもわずかですが、分布していることが確認されているそうです。

下の図は、メラノサイトで産生されたメラニンが、表皮の中でどのような過程を経て角化角解していくのか、また、真皮にたん落したメラニンとマクロファージの関係などをあらわしています(図は IPA 国際植物療法協会の資料を参照)。

20061101メラニンの産生と表皮角化

メラノサイトで産生されたメラニンは、先ほども述べたように、木の枝のように伸びた樹枝状突起の先端まで送られて、隣合わせ(あるいは隣近所)で位置しているケラチノサイトへメラノソーム(メラニン顆粒といって、合成されたメラニンがつまっている顆粒)を、受け渡します。

そのことによって、ケラチノサイト内の生きた細胞の核を傘で守るように備蓄されます。ケラチノサイトは、約 28日周期でターンオーバーを繰り返しますが、角化とともに還元されて(還元帯)色を少しずつ失っていきます。

場合によっては、メラノサイトで産生されたメラニンが真皮にたん落する、ということも起こり得ます。もちろん、この場合は、通常は、マクロファージによって、処理されます。

このように、メラニンは役割があって、生体の合目的性を持って「メラノサイト」で産生され、表皮においては、ターンオーバーの過程で還元され、真皮では、マクロファージによって処理され、跡形を残さないようになっています。

今まで述べてきたことは、メラニンの役割とその産生(生成)の過程、そして、産生されたメラニンの還元あるいは処理される過程を見てきました。

ここで、色素沈着という皮膚のトラブルについてですが、これは、メラニンの還元、あるいは処理に何らかの問題があった場合に生じるものですから、その原因が、メラニンが産生され、還元、処理されるまでの過程の中の、どの部分に存在するのか、ということがとても重要となってきます。

その原因によって、使う植物素材や、トリートメントでの手当ての方法がすべて決まってきます。

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プロフィール

ひまわり

○ 佐藤 喜仁(さとうよしひと)
・1955年(昭和30)年
 12月生まれ
・福島県会津高田町出身
○ 1974年(昭和49年)3月
・福島県立大沼高等学校
・普通科卒業
○ 1978年(昭和53年)3月
・京都産業大学
・経営学部 経営学科
(会計学専攻) 卒業
○ 1980年(昭和55年)3月
・京都産業大学
・大学院 経済学研究科修了
○ 1981年(昭和56年)〜
  1987年(昭和62年)
・税理士事務所勤務
○ 1987年(昭和62年)12月
・ハーブ専門店
 みなみの香草屋開業
・自社農場でハーブの生産、
 出荷
・ショップでハーブやアロマ
 関連商品の販売
・サロンでのトリートメント
・ショップやサロンへ商品供給
 とアドバイス
○ 1997年(平成9年)6月
・秋田アロマテラピースクール
 開講
○ 現在、秋田市で
・アロマテラピーと
 フィトテラピー(植物療法)
 を学びながら、ショップや
 サロンを営み、スクールも
 開講しています

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