みなみの香草屋 Blog

自然と共に共存し、植物の持つすばらしい力を借り、心身共に健康で過ごせるための、植物療法(フィトテラピー)について

プロスタグランジン

2005年12月27日  プロスタグランジンと栄養素
2005年12月25日  プロスタグランジンと福田安保理論
2005年12月21日  脂肪酸とプロスタグランジン

プロスタグランジンと栄養素

○ 関連 : 精油化学 / 植物油化学 / 医療 / 脳・神経 / 薬・身体 / 福田安保理論 / 千島学説 / その他

今日もまた雪降ろしへ山へ。作業中は時折吹雪き模様でしたが、昼近くには晴れ間ものぞきました。山には犬が二匹おりますが、来年は戌年、ということで、わが家の豆太朗(まめたろう)を賀状のモデルに。

下の画像を使ったんですが、ちょうど逆光でまぶしいのか目を小さくしてエヌジー何回だしたでしょうか。

20051227豆太朗1

下は、ちょうど手で耳を撫でていたところ。そこをタイミングよく撮りました。今回の雪下ろしは量が多くて、ちょうど腰の位置くらいもあるでしょうか、面積が広かった分、疲れて帰りはぐったり。

20051227豆太朗2

それでも晴れ間から広がる太陽は、真っ白な雪を幻想的な世界へ。極寒の雪も魅力的ですが、こういう風景もまたいいですよね。

20051227雪の晴れ間

帰りの峠道、この風景を覚えていますか。秋の紅葉の季節に同じ場所で写真を撮りました2005.11.15 冬の足跡が聞こえてきました。そのとき、長いポールが立っていましたが、今ではそれが隠れそうなくらいの雪。ほんとうに車一台が通れる道幅です。田んぼの道、いつもきれいな風景なんですが、ちょうど西の空がスカイブルーに。白い雪の色とのコントラストがなんともいえません。

20051227雪の峠 20051227帰りの雪道

さて、先日からプロスタグランジンについてお話してきました。

● 脂肪酸がどうして大切なのか
2005.12.21 脂肪酸とプロスタグランジン
・エネルギー効率のよい脂肪(中性脂肪)の構成要素
・細胞膜の大切な構成要素であるリン脂質の構成要素
・そして、プロスタグランジンの材料として不可欠な構成要素


● プロスタグランジンってどういう働きをするのか

2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論
・恒常性の維持は、内分泌系や神経系がメインで支えている
・微妙なコントロールを「プロスタグランジン」といわれる局所ホルモンが担っている
・プロスタグランジンには、子宮、血管系、消化管及び気管支などの平滑筋の収縮と拡張を担う広範囲な生理活性作用を持っている
・血圧の調整や血小板の凝集、炎症や抗炎症にも深く関与している
・血管収縮と血小板の凝集促進は、交感神経との関係から
・血管拡張と血小板の凝集抑制は、副交感神経との関係から
・炎症や抗炎症、気管支の拡張と収縮については、スッキリと説明することが困難(ひまわりの理解不足)


福田安保理論では、炎症を引き起こしたり、血管を拡張したり、発熱させるなどの症状を、副交感神経の働きとして、治るための治癒反応ととらえています。

プロスタグランジンがいかに大切かが、わかっていただけたかと思います。今回は
、細胞膜(生体膜)のリン脂質から遊離され(切り出され)、生体が必要とした場合に、不可欠脂肪酸を切り離し、プロスタグランジンが産生される過程に、いかに栄養素が関与しているのかをお話したいと思います。

生体に何かが起こると、その変化にフィードバックする形で、細胞は生体の設計図である DNA から、化学変化を引き起こすための酵素(タンパク質)を作りだします。

「健康自主管理のための栄養学:三石巌著、太平出版社」では、コーディングの図式として、DNA →(転写)→ RNA →(翻訳)→ タンパク質(酵素タンパク)→ 代謝産物(この過程をコーディングというそうです)という過程により、最終的につくられる代謝産物が非常に大切なことで、「細胞が情報をうけてしごとをはじめるような、うてばひびく関係をフィードバックといいます」と述べられています。

このときに、三大栄養素と、ビタミン、ミネラルが非常に重要になってきます。その場合、下記のような区分で考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

● 60兆の細胞すべてに共通して起こる化学変化
● 局所的に引き起こされる化学変化
● 体質や条件によってそれらの化学変化は違ってくる

○ エネルギー産生(ATP(アデノシン三リン酸))に関係するビタミンやミネラル
・エネルギービタミン(エネルギーの産生にかかわるビタミン)
・エネルギーミネラル(エネルギーの産生にかかわるミネラル

○ コーディング(DNA をもとに化学変化を引き起こし、代謝産物を作り出す)に関係するビタミンやミネラル
・フィードバックビタミン(コーディングを円滑に進めるためのビタミン)
・フィードバックミネラル(コーディングを円滑に進めるためのミネラル)

○ 三大栄養素の代謝(エネルギー産生に関わる代謝は含まれず)に関係するビタミンやミネラル
・糖質・脂質・タンパク質(アミノ酸)変換ビタミン
・糖質・脂質・タンパク質(アミノ酸)変換ミネラル

プロスタグランジンは、局所的に引き起こされるものです。生体の要求で、細胞膜(生体膜)のリン脂質から不可欠脂肪酸を分離させ、プロスタグランジンが産生されますが、その過程で、いろいろな酵素が働き、その酵素のお手伝いをするビタミンやミネラルが働いています。

材料となる不可欠脂肪酸がなくても、酵素タンパクが DNA から正確にコーディングされなくても、また、その酵素タンパクに共同して働くビタミンやミネラルが不足していても、プロスタグランジンは産生されません。

ですから、いかに栄養素が関係しているのかがわかるかと思います。それら局所ホルモン産生に働く酵素の働きを阻害する「ステロイド」や「非ステイロイド(アスピリンなど)」などの薬と、その薬と同じような働きをすることで、症状を緩和することのできるハーブや精油の働きなどを総合的に理解することが「植物療法(フィトテラピー)」では重要だと思います。

関連記事
福田安保理論関連の目次
2005.12.31 体調とプロスタグランジン
・「2005.12.27 プロスタグランジンと栄養素」

2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論
2005.12.21 脂肪酸とプロスタグランジン

プロスタグランジンと福田安保理論

○ 関連 : 精油化学 / 植物油化学 / 医療 / 脳・神経 / 薬・身体 / 福田安保理論 / 千島学説 / その他

今日は断続的に雪は降るものの夕方から一時雨が。この雪と雨でとても湿った重い雪へ。もう捨て場のない雪に道路は狭くなり、車はノロノロ運転、行きかう人達の挨拶は「雪」のお話ばかり。

午前中、山の小屋の雪を降ろしに行きました。80センチくらいはあろうと思われる屋根の雪が、軒先まで突き出てきて、それを支える垂木が限界。はしごを使って屋根まで登るんですが、それが恐怖。落ちたら命は大丈夫でしょうが、ケガすることは必死。

20051225雪降ろし1 20051225雪降ろし2 20051225雪降ろし3

ようやく無事にすみホットした所で写真を。上の左と中央の写真は屋根の上からラベンダーの畑を見下ろしたところ。上の写真右は下から上がってきた道です。スノーダンプ一台を太ももまで埋まりながら引いてきました。

下の写真は、杉林の中にあるみそ置き場からみそを運び出しているところ。おかげで、普段使わない体を使いすぎ、ちょっと筋肉痛。


20051225みそ出し1 20051225みそ出し2 20051225みそ出し3

お昼はご覧のような、チャーシュー入り豚骨の塩ラーメン(二回目の登場)を食べながら、高校駅伝大会を見ました。先日行った金閣寺や銀閣寺への道のりが中継されていましたが、宝ヶ池の歩道には、ところどころ雪が残っていましたね。

20051225ラーメン1 20051225ラーメン2 20051225ガッコ

さて、今日は先日の2005.12.21 脂肪酸とプロスタグランジンでリン脂質から、生体が必要とした場合に、不可欠脂肪酸を切り離し、プロスタグランジンが産生されるお話をしました。それは、「脂肪酸がどうして必要なのか」でした。今回は、「プロスタグランジンってどういう働きをすのか」という難題を福田安保理論との関係から「ひまわりがわかる範囲」でお話したいと思います。

生体は、自分自身を取り巻く環境に変化があった場合、とても狭い範囲でしか対応できないため、その影響を最小限にくい止めるようになっています。そのため、内分泌系や神経系を介して生体の合目的性のためにその変化に対応することで、個体を維持するシステムを持っています。これが恒常性といわれるシステムです。

その恒常性を、内分泌系や神経系がメインで支えていますが、微妙なコントロールを担っている調整役が「プロスタグランジン」といわれる局所ホルモンです。プロスタグランジンには、子宮、血管系、消化管及び気管支などの平滑筋の収縮と拡張を担う広範囲な生理活性作用を持っていて、血圧の調整や血小板の凝集にも深く関与しています。

とても複雑で多岐多様な働きをしますので、ここでは、福田安保理論との関係で、血管系や皮膚・消化管などの上皮に起こる炎症などを見てみたいと思います。

福田安保理論では、ストレスなどの要因が長く続くと、交感神経の緊張が起こり、一方では副交感神経の働きを低下させます。交感神経の緊張は、下記の図のように、循環器系にいろいろな障害を起こし、結果として、痛みや発ガン物質の蓄積、炎症の発生などによる諸症状が起こります。

また、顆粒球の増加に伴い、化膿性の炎症や、活性酸素のダメージによる組織の老化や破壊による炎症が引き起こされます。

ポイントは、交感神経の緊張による「血管系」への影響と、顆粒球による「炎症」反応です。

20051225福田安保理論

生体の合目的性のために、微調整を担っている「プロスタグランジン」の要求が起こると、細胞膜(生体膜)から、「プロスタグランジン」のもとになる不可欠脂肪酸を取り出すわけですが、そのとき、ホスホリパーゼ A2 という酵素が関与します。この酵素の働きによって、不可欠脂肪酸を切り離すのだそうです。特に、アラキドン酸経由で産生される2系統の炎症を引き起こすプロスタグランジン E2 との関係で重要視されています。

それは、下記の図のように、
・リン脂質からアラキドン酸へ遊離させるよう働く「ホスホリパーゼ A2」という酵素の働きを阻害するのが「ステロイド」
・また、アラキドン酸から 2系統のプロスタグランジン E2 を合成させるよう働く「シクロオキシゲナーゼ」という酵素の働きを阻害するのが「非ステロイド(アスピリン)」

20051225リン脂質から不可欠脂肪酸

「炎症」を引き起こさないようにするのを目的とする場合には、炎症を引き起こすプロスタグランジン E2 の合成を阻害することを考えるでしょうし、また、その元になるアラキドン酸そのものを遊離する酵素の阻害も考えることができるでしょう。

しかし、生体の合目的性を考えたときには、炎症を起こすことの必要性が個体維持のために生じたのなら、そして、その必要性がなくなった瞬間に、次の反応としてその炎症を沈静化するためのプロスタグランジンが生体で作られるということを考えたとき、それらの「炎症と抗炎症」の微調整を担うプロスタグランジンの合成を阻害すべきではないともいえると思います。

下記の図は、今述べた「炎症や抗炎症」、「血管系における血管収縮と拡張、血小板の凝集」などと各系統で産生されるプロスタグランジンとの関係を表したものです。もちろん、こんなに単純なものではありませんが、福田安保理論との関係からわかりやすく関連づけて書いてみました。

20051225プロスタグランジン

福田安保理論では、
・交感神経はエネルギーの消費、副交感神経はエネルギーの蓄積に働く
・交感神経は外での活動のため、エサを捕獲することができる方向へと働き、その過程で生じたけがに対応して、傷を癒すしたり、止血したり、侵入してきた異物を防御するために、免疫細胞である顆粒球が活性化する
・一方副交感神経では、捕獲したエサを消化吸収することができる方向へと働き、微細なウイルスなどや、消化管を中心とした内部に発生する異物の防衛に、免疫細胞であるリンパ球が活性化する

というのが、基本的な考え方です。ようは自律神経系と免疫細胞は連動していて(支配されていて)生体の合目的性を保っているということです。

そのとき、プロスタグランジンの働きを見てみると、すべて矛盾なく説明できるものではありませんが、
・血管収縮と血小板の凝集促進は、交感神経との関係から
・血管拡張と血小板の凝集抑制は、副交感神経との関係から

ただ、1 系統で産生される「プロスタグランジン E1」の働きである「血管拡張、血小板凝集抑制」と「抗炎症」、そして、2 系統で産生される「プロスタグランジン E2」の働きである「血管収縮、血小板凝集促進」と「炎症」との間をうまく説明することができません。「抗炎症」と「炎症」が、それぞれ逆(E1が炎症」で E2が抗炎症)であればうまく説明ができるのですが。

福田安保理論では、炎症を引き起こしたり、血管を拡張したり、発熱させるなどの症状を、副交感神経の働きとして、治るための治癒反応ととらえています。ですから、「消炎鎮痛剤」や「ステロイド」は交感神経へ再び戻すことになると考えられています。

いずれにしても、恒常性が保たれていれば、これら生体の微調整を司っているプロスタグランジンは、作られてから、血液循環で肺循環に入りその大半が活性を失うそうです。それが局所ホルモンといわれるゆえんだと思います。

ですから、生体が必要とするときに、必要なプロスタグランジンを産生し、それに拮抗するような形ですぐに別のプロスタグランジンが産生され、作られたプロスタグランジンはその必要性がなくなるとすぐに活性を失う、そういう生体の要求に対するフィードバックのスムーズな調整ができるかどうか、これが大切なことだと思います。

そして、それらは、自律神経と密接に関わり合いがあり、免疫細胞とも連動しています。

関連記事
福田安保理論関連の目次
2005.12.31 体調とプロスタグランジン
2005.12.27 プロスタグランジンと栄養素
・「2005.12.25 プロスタグランジンと福田安保理論」

2005.12.21 脂肪酸とプロスタグランジン

脂肪酸とプロスタグランジン

○ 関連 : 精油化学 / 植物油化学 / 医療 / 脳・神経 / 薬・身体 / 福田安保理論 / 千島学説 / その他

20051221雪の断面 今日も雪のお話から。朝刊に「今冬は四八並み?」の見出し。そう、昭和48年度の豪雪と今冬の積雪の状態がほほ同じためなのだそうです。ひまわりは、その当時会津にいましたが覚えています。一夜にして、80センチ以上も積もったでしょうか。あのときは本当にビックリしました。その状況にありそうですね。

今日は、気温が緩んだせいもあり、雪が沈んだ感じで積雪量は少ないようですが、その分しまって重たい雪になっています。写真は、山で雪降ろしをしたときに撮った、車のボンネットに積もった雪の断面。50センチくらいあるでしょうか。

先日2005.12.18 二次代謝産物の落とし物 で、ω-6系・ω-3系の脂肪酸、プロスタグランジンのお話をちょっとしました。というのも2005.12.17 植物の二次代謝産物 の中で、特に植物が、自分の生命維持になくてはならない物質を自ら作り出す一次代謝産物とは別に、生命維持に直接必要ではないものの、環境の変化や進化に連動して作られる二次代謝産物のお話をしたところから始まっています。

植物は、プロスタグランジンを、この二次代謝の酢酸・マロン酸経路により作りだすことができます。ところが、人間がプロスタグランジンを作りだすためには、必須脂肪酸といわれている脂肪酸を「食事」から摂取しないといけません。その脂肪酸が「リノール酸(ω-6系)」と「α-リノレン酸(ω-3系)」なんです。

これら二つの脂肪酸は、人間の体内では合成して作り出すことができないため、でも、それらの脂肪酸をスタートとしてプロスタグランジンが作られるため、なくてはならない脂肪酸なので「必須脂肪酸」といわれています。


まず、はっきりしておかないといけないのは、
・脂肪酸がどうして大切なのか
・プロスタグランジンってどういう働きをするのか

の二つが大切なキーワードになります。脂肪酸については2005.08.06 キャリアオイルの化学でも説明しましたが、三大栄養素の脂質を構成する大切なものです。詳しくはキャリアオイルの化学を参照いただければ幸いです。

主な脂質とその構造を下記の図に示しました。今回は、「脂肪(中性脂肪)」と「リン脂質」に的を絞ってみたいと思います。一般に「脂肪(中性脂肪)」といわれるものは、グリセリン1分子に、脂肪酸が3分子結合(エステル結合)したものです。それ以外に、リン脂質といって、やはりグリセリン1分子に三つの構成要素が加わるのですが、先の「脂肪(中性脂肪)」のように、脂肪酸が3分子ではなく、脂肪酸が2分子とリン酸(リン酸と塩基)が1分子結合したものです。

20051221主な脂質

これら二つの脂質のうち、リン脂質は、細胞膜(生体膜)の構成要素として、脂肪(中性脂肪)は、脂肪組織にエネルギー源として蓄えられます。

ごぞんじのように、糖質やタンパク質の持つ熱量は 1グラムにつき 4 キロカロリーですが、脂肪(中性脂肪)は倍以上の 9 カロリーであるため、効率のよいエネルギー源として蓄えられます。筋肉の場合、2/3 は脂肪酸から、1/3 はブドウ糖からエネルギーを作りだしているそうです。そして、脂肪酸でも、不飽和脂肪酸よりも飽和脂肪酸の方を優先的に利用しているのだそうです。

どちらの脂質にも、脂肪酸が関わってきますが、その脂肪酸にはいろいろな種類があります。その脂肪酸をどちらの脂質も、3分子あるいは2分子含んでいることになるのですから、脂肪酸の種類によっていろいろな組み合わせができてきます。

脂肪(中性脂肪)は、脂肪酸を3分子含んでいますが、脂肪酸の種類が飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもかまいません。もちろん、1つでも不飽和脂肪酸を含めば「不飽和脂肪(液状)」ですし、3つの脂肪酸がすべて飽和脂肪酸であれば「飽和脂肪(固形)」ということになります。

おもしろいのが、リン脂質です。リン脂質は、脂肪酸を2分子含んでいました。そのうちの一つは必ず不飽和脂肪酸でないといけないのだそうです。残りの脂肪酸は飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でもかまいません。

つまり、リン脂質が細胞膜(生体膜)の成分として成立するためには、脂肪酸2分子のうち、必ず不飽和脂肪酸を1分子含んでいないといけないことになります。これは、細胞膜(生体膜)の構成成分という観点からみた場合です。

ここで、プロスタグランジンとリン脂質という観点から見た場合がとても大切になってきます。プロスタグランディンが作られるためには、脂肪酸の種類は、必須脂肪酸である「リノール酸」と「α-リノレン酸」でした。そこで、細胞膜(生体膜)としたら、不飽和脂肪酸が必ず1分子構成要素として含まれていないといけませんが、その不飽和脂肪酸が必須脂肪酸である必要はないわけです。

ところが、生体が、プロスタグランジンの必要性を生じた場合、ホスホリパーゼという酵素によって、リン脂質(細胞膜を構成要素)に含まれている、「プロスタグランジンの元となる必須脂肪酸(または不可欠脂肪酸(これについては後述))」が取り出されます。

不可欠脂肪酸は、必須脂肪酸から代謝されてプロスタグランジンを作るのになくてはならない脂肪酸のことをいいます。それらは、ジホモ γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸という不飽和脂肪酸です(下記図を参照)。

20051221脂質とプロスタグランジン

それでは、不可欠脂肪酸は、必須脂肪酸から代謝されるのだから、リノール酸やα-リノレン酸を含む食物を食べれば大丈夫か、というとそうでもないんだそうです。必須脂肪酸から不可欠脂肪酸に代謝されるまでには、いろいろな阻害因子が関わってきて、なかなか不可欠脂肪酸には代謝されにくいというのが現実のようなんです。

ということは、最初から、不可欠脂肪酸を摂取するのが一番効率的だということになりますね。

もうわかったでしょうか。

最初の重要なポイントである「脂肪酸がどうして大切なのか」については、
・エネルギー効率のよい脂肪(中性脂肪)の構成要素
・細胞膜の大切な構成要素であるリン脂質の構成要素
・そして、プロスタグランジンの材料として不可欠な構成要素

ということになるでしょうか。プロスタグランジンのお話は、また後日投稿したいと考えています。

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プロフィール

ひまわり

○ 佐藤 喜仁(さとうよしひと)
・1955年(昭和30)年
 12月生まれ
・福島県会津高田町出身
○ 1974年(昭和49年)3月
・福島県立大沼高等学校
・普通科卒業
○ 1978年(昭和53年)3月
・京都産業大学
・経営学部 経営学科
(会計学専攻) 卒業
○ 1980年(昭和55年)3月
・京都産業大学
・大学院 経済学研究科修了
○ 1981年(昭和56年)〜
  1987年(昭和62年)
・税理士事務所勤務
○ 1987年(昭和62年)12月
・ハーブ専門店
 みなみの香草屋開業
・自社農場でハーブの生産、
 出荷
・ショップでハーブやアロマ
 関連商品の販売
・サロンでのトリートメント
・ショップやサロンへ商品供給
 とアドバイス
○ 1997年(平成9年)6月
・秋田アロマテラピースクール
 開講
○ 現在、秋田市で
・アロマテラピーと
 フィトテラピー(植物療法)
 を学びながら、ショップや
 サロンを営み、スクールも
 開講しています

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