○ 履歴 : 2008「2008.03.21 セミナーのカリキュラムとスケジュールの作成 2」+ 3.9 / + 16.7
○ 履歴 : 2009「2009.03.21 今日から会津の実家へ行ってきます」気象データなし
○ 気温 : 今日の最低 + 7.2( +1.7(15:15))最高 +13.4(00:49)/ 昨日 : + 4.3 / + 7.9
昨晩は、風が強く吹き荒れ、多少、雨足は弱くなるときもありましたが、かなりの勢いで降っていました。朝起きると、ときおり降りはするものの、徐々にやんでいきました。
ただ、暖かな気温からずいぶん寒くなってきました。今日の最高気温をみても、午前 00:49 に記録してたんですね。相変わらず風が吹いていました。
やんでいた雨が、午後三時過ぎ頃から、再び降り出しましたが、そのときには、雪となっていました( +1.7(15:15))。今日は、本当に変な天気でした。
今日は、午前中に山へ行ってきましたが、車に乗り込もうとすると、ガラスが汚れている事に気がつきました。この雨と黄砂によるものとわかりました。
上の写真、右は、今日のラベンダー畑の様子です。何となく先端の葉っぱが緑色を増したような感じがしました。下の写真は、畑の周りの風景です。
相変わらずいたる所にモグラの穴がありました。素晴らしい力です。苗以外の場所を歩き回る方法を考えついたら、とても助かるのになぁ。右は、栗の畑です。
植物たちが動き出してきたようです。この寒さに、新しく芽生えた葉っぱが震えているようです。真っ赤な花を咲かせる花梅の花が開花していました。今日が開花日(といっても一輪ですが)になりました。
今日は、彼岸の中日でした。ばっぱは、朝からお供えのモチ作りに大忙しのようでした。下の写真は、もちの上にトッピングするタレです。ゴマダレ、クルミダレ、あんこ、そして、きな粉でした。
下の写真は、今日のお昼ご飯です。さきほどのモチ、それに、カレーライスでした。午後五時前だったでしょうか、外を見てみると吹雪になっているではありませんか。
右の写真が、その様子なのですが、あまり雪が見えていませんが、凄かったんですよ。でも、夜にはやんでいました。
下の写真は、今日の晩ご飯です。もやしと豚肉の蒸し煮、おから、そして、小松菜と豆富じゃがいものみそ汁でした。そのほか、ふろふき大根と、ニンジンのみそ炒めもありました。
随分前の事になりますが、2009.11.23 に NHK スペシャルで「がん 生と死の謎に挑む」というタイトルの番組が放送されていました。
この番組では、ご自身ががんと戦われているジャーナリストの立花隆氏が、取材を通して、がんに関する最先端の科学的な研究などを明らかにされ、がんの本質に迫っていく様子が放送されていました(立花隆 思索ドキュメント)。
昨日の記事の、
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
でも投稿しましたが、最終的には、がん細胞もまた、正常な幹細胞の持つ「身体を使う仕組みの多くの機能」を持っているために、正常な幹細胞に影響を及ぼさずに、がん細胞の機能だけをとめることは難しい、という事実に到達され、自分自身が、がんとどう向き合って今後過ごしたらよいのかを考える方向へと、目を向けられたようでした。
番組の冒頭では、100年目を向かえた世界最大のがん学会の模様が写し出されていました。何でも、この学会から 35人のノーベル賞受賞者が生まれたそうなのですが、そのような学者の方々の研究でも、がんについてのごく一部が解明されているに過ぎないとの事でした。
がんを克服するためには、ある方は、まだまだ 100年ほどに及ぶほど長い長い道のりであるとか、50年以内には何とか解明できるかもしれない、などのお話がありましたが、現代の英知を集めてその答えを求めても、一筋縄ではいかない現状があるようでした。
そこで、立花氏は、初めて「がん遺伝子」を発見された方に「がんとは一体何なのか」という事を通して、いつになったら人類はがんを克服できるのかを伺いました。
それによると、
・1982年がん治療薬の研究開発の基礎を築く
・がんになる原因を知ることができた
・1971年と比較してがん治療はそれほど向上していない
・がんの原因を知ってもそれを取り除いたり治す事は想像以上に難しい
という事で、生きている事自体ががんを産んでいるから、というのが答えでした。この「がんになる原因」というのが「ミスコピー」でした。
一日に数千億の細胞が、遺伝子をコピーして生まれ変わっているのだそうですが、逆の事から考えると、どこかの細胞がミスを犯して「がん」になる事の方があたり前だというのです。
むしろ、60、70、80歳になるまで、身体が崩壊したり、がんにならないことの方が「奇跡」で、このミスコピーががんにつながっていくというのです。
このミスコピーを引き起こす仕組みは、「パスウェー」と呼ばれる「細胞同士の信号のやり取りを表す「信号経路」」と密接な関係にありました。下の写真、左が、そのパスウェーと呼ばれる信号経路です。
この複雑な信号が、がんに変える仕組みと関係があるというのです。そのカギを握っているのが、がん遺伝子と呼ばれている「Ras(ラス)遺伝子」です。この遺伝子が働くと、パスウェーを通して、細胞を分裂・増殖させる命令が出されてしまうようです。
この「Ras 遺伝子」が異常を起こすと、パスウェーを介して「増殖」の命令が細胞間に伝えられ、その命令を受け入れた細胞は、再現なく増殖を繰り返す結果、がん化してしまうのだそうです。
中央の写真は、細胞間の信号経路の様子を示していたものだったはずです。右は、「Ras 遺伝子」のイメージです。以下の写真は、いずれも、テレビの画像から撮させていただいたものです。
したがって、がんになる原因は、パスウェーに異常な信号が発せられることによって引き起こされるということが理解できるかと思いますが、そのように簡単なものではなのだそうです。
それは、今見てきたように、パスウェーに異常な信号を送り届ける遺伝子は、「Ras 遺伝子」だけではなく、また、細胞自体にも、宇宙のように張り巡らされたパスウェーが存在しているためなのだそうです。
その事は、最先端の抗がん剤である「分子標的薬」であっても、その効き目がなくなるほどの複雑さなのだそうです。
この薬は、異常な信号を出すパスウェーをふさいでがんを治療するもので、パスウェーの入り口でスイッチの役目を果たす物質の結合を押さえる事で、その効果が発揮できるのだそうです。下の写真、左が、その様子を表したものです。
ところが、ふさがれたパスウェーの途中からでも信号を出す事ができるように、がん細胞は、遺伝子を変化させて対応し、また、異なる経路から信号を送ったりして、薬としての効き目がなくなってしまうところに、その複雑さを伺い知ることができます。
下記の図は、今までの事柄について対応したマインドマップです。大きな図を三分割した一つです。「Ras 遺伝子」を抑制する働きをする「N-Ras 遺伝子」遺伝子もあるようです。
がん細胞は、このように再現なく増殖を繰り返していくのだそうですが、その次のステップが「浸潤(しんじゅん)」といって、周りの組織にしみいってくるように広がり、やがて、全身に転移する形で増殖して行くのだそうです。統計上では、八割以上の再発の可能性があるのだそうです。
そして、この浸潤や転移に深く関わり合いのあるのが、やはり遺伝子でした。その遺伝子は「HIF1(ヒフワン)遺伝子」です。この遺伝子が、昨日投稿した、
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
と、深い関係にありあました。この遺伝子は、生物が歩んできた進化と深く関わり合いがありました。そう、「低体温、低酸素」という環境で、盛んに作られる物質「HIF1」を作り出す「HIF1 遺伝子」でした。
この放送は、2009.11.23 に行われたものでしたので、「低酸素」というキーワードが、昨日投稿した安保氏の講演とリンクしたんです。それが「過酷な内部環境」の状態を意味するのではないかと思います。
そのような環境へ導いてしまう要因は「過度な交感神経の緊張」でした。
がん細胞が増殖して、次のステップである「浸潤」するときに使う遺伝子が「HIF1 遺伝子」なのだそうです。
がん細胞が、血管を作りだし、栄養を得ながら再現なく増殖してくると、その中心部には、血液が届きにくい状態になってしまうそうなんですが、その状態こそが「酸素不足」で、低酸素領域では、通常の細胞であれば生きていく事ができません。
そこで、
○ がん細胞の生存能力を高める
・低酸素状態でも生きる事ができるよう
○ がん細胞の動き出す能力を高める
・低酸素状態でも逃げ出す事ができるよう
導くのが「HIF1」の働きでした。番組では、この事を「がんの中で自然淘汰が起こる」と表現されていました。それは、低酸素の状態でも耐えられるがん細胞だけが生き残ることになり、非常に「強力ながん細胞」が残っていく事を意味します。
下の写真は、低酸素領域、「HIF1」などを表したものです。
がん細胞が増殖して浸潤する仕組みが解明できましたから、この「浸潤」を促す「HIF1 遺伝子」を取り除けば、浸潤や転移が防げるのでは、と考えることは当然のことです。
ところが、この遺伝子は、生命の初期段階で重要な役割を果たしてる遺伝子でした。それは、この遺伝子を取り除いたネズミの胎児が、生まれる前に死んでしまうということで、確認されたようです。
初期の胎児には、血管のない状態で低酸素状態の環境です。そのため、酸素が不足していることを「HIF1」を働かせることで、血管や神経を作りだしているというのです。
しかも、大人になっても、酸素が低い状態かどうかを感知するセンサーとして「HIF1」が全身に使われていることがわかったのだそうです。この事を「低酸素に対応する能力が初期の生物にもあり、「HIF1」は動物の進化の中でずっと保存されてきた遺伝子でもあった」というようにいわれていました。
前述の安保氏の講演でも、
○ 無酸素でもエネルギーを作り出すことができる仕組み
・嫌気的な環境
・解糖系(グルコース → ピルビン酸 → 乳酸)
・瞬発力と分裂、成長
・皮膚や白筋など(ミトコンドリアが少ない)
というお話が登場してきましたが、まさに、その事に関わっているのが「HIF1 遺伝子」のように思われます。
がんに関係する遺伝子の多くは、生命の存続にもっとも基本的な部分で関わり合いのあるものが多いのだそうです。下記の図は、今までの事柄を、マインドマップ化したものです。
がん細胞が増殖し、低酸素の状態でも耐えられる「強力ながん細胞」が浸潤してくる過程を見てきましたが、次の段階に起こるのが「転移」だそうです。
そのときに関係するのは、免疫細胞でした。中でも、マクロファージとがんの関係が明らかにされました。本来、異物を食べて処理する重要な働きを持っているマクロファージが、異物である「がん細胞」を攻撃するのではなく、がん細胞の転移を手助けしているというのです。
しかも、マクロファージは、「あくまでも本来の機能を果たしているにすぎない」というところにポイントがありました。
がん細胞に、マクロファージが集まってきて、そのマクロファージによって導かれるように浸潤していることが確認されたのだそうです。
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」
では、がん細胞が、免疫細胞を死滅させ「転移」させたり、活性化させたりする「遺伝子」を持っていることを投稿しました。
下の写真、左は、本来の姿のマクロファージで異物を食べている様子です。中央は、確か、マクロファージががん細胞に集まってきている様子だったかと思います???。
これらの仕組みは、傷を治すときに働くマクロファージの仕組みと密接に関係しているのだそうです。あくまでも仮説という事でお話されていましたが、傷口ができたときに「救援を求める物質」が放出されるのだそうです。
その物質を感知する事で、マクロファージなどの免疫細胞が集結し、細胞の成長や移動を促す物質を放出して傷口を修復するのだそうです。「救援を求める物質」については、
・「2007.12.27 骨髄幹細胞と再生医療」
でも、ご紹介しましたが、がん細胞は、どうも、その「救援を求める物質」を放出するようで、その事によってマクロファージが引き寄せられ、結果、細胞の成長や移動を促す物質をマクロファージが放出する事で、がん細胞は、移動を始めることができる、という事のようでした。
さらに、マクロファージは、移動を促す物質を契機にがん細胞を移動させるだけではなく、周囲の細胞を壊す物質を放出しながら、がん細胞の通り道まで作ってしまうそうです。その事が、がん細胞の転移を可能とする理由のようでした。
下記の図は、今までの事を、マインドマップ化したものです。
その他、がん細胞を助けている正常細胞との関係についても触れられていました。白血病は血液のがんの一種ですが、正常細胞が、白血病細胞の隠れ蓑となってその隠れ家を提供したり、栄養を与えているという関係が明らかになり、がん細胞を攻撃する抗がん剤治療の難しさについてもお話されていました。
このことは、がん細胞とはいえ、自分自身の細胞にかわりはなく、それを抗がん剤によって、正常な細胞までをも攻撃してしまうこと事に、改めて、がんとは何かという問題に悩まれておられたようです。
また、「がん幹細胞」説についても話が及びました。この考え方には、抗がん剤による治療が、場合によっては、生命そのものの根幹を揺るがす事につながってくる要因が隠されていました。
すべてのがん細胞が、同じように増殖して腫瘍を作ると考えられてきましたが、すべて同じではないという説です。そして、それが、正常な細胞と密接な関係にあるという事実でした。
がん細胞の分類を試み、「がん幹細胞」に分類されるがん細胞を注射したら、数個で増殖して腫瘍を作る事がわかったそうです。その他に分類されるがん細胞では、数十万個入れても腫瘍ができなかったそうです。
がん幹細胞は、がん細胞を生み出す「もと」になる細胞で、その子孫が急速にがんを作り出すことがわかってきたそうなんですが、抗がん剤では、その子孫のがんを攻撃する事はできても、大元となっている「がん幹細胞」には効かないそうです。
・「2013.04.20 がん幹細胞と細胞周期調節タンパク質 Fbxw7」
しかも、その薬に対して「耐性」をもち、より強力ながん細胞を作り出すとの事でした。そこで、このがん幹細胞の遺伝子を解析したところ、正常な幹細胞ときわめて似ていることがわかったそうです。
幹細胞は、様々な細胞に生まれ変わることのできる細胞でした。ということは、抗がん剤による治療は、正常な幹細胞にまで影響を与え、場合によっては、生命そのものにもダメージを与える可能性がある事を示唆しています。
そこで表現された事が、昨日投稿した記事や、前述のお話に出て来た内容でした。それは、最終的には、がん細胞もまた、正常な幹細胞の持つ「身体を使う仕組みの多くの機能」を持っているために、正常な幹細胞に影響を及ぼさずに、がん細胞の機能だけをとめることは難しい、という事でした。
下の写真は、幹細胞だけはわかるのですが、左と中央は、どの場面の写真なのかわからなくなりました。左の方が、がん細胞にマクロファージなどの免疫細胞が集まっている様子だったでしょうか?? 中央は、正常細胞が白血病細胞の隠れ家を表しているのでしょうか。??
以上の考え方で、一番カレントな話題が「iPS細胞」でした。ひまわりブログでは、以前より「iPS細胞」に関しては、いろいろな内容の記事をご紹介してきました。その中で、iPS細胞の作製には、がん化の懸念が常につきまとってきました。
「続きを読む」をクリックすると、「残りの投稿内容」もご覧いただけますよ。
--------(追記↓この部分から下は追記部へ(このラインを削除の事) 以下続きです
○「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・細胞の増殖に関係する遺伝子が、がん化などの恐れがあるため、よりいっそう安全な手法の確立が求められていましたが、それらの遺伝子を使わず、遺伝子が作るタンパク質を、あらかじめ別に作っておいて、それを「細胞内に導入する」事で、「iPS細胞」を作り出す事に成功した事をご紹介しました。
○「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「iPS細胞の作製効率」に「がん抑制遺伝子の p53」が関与し、「iPS細胞」の作製過程で、細胞がアポトーシス(プログラムされた細胞死)や増殖停止に導かれるために、効率が悪かった事をご紹介しました。
以上のように、体細胞を初期化して「iPS細胞」を作製する場合の遺伝子には、増殖に関係する遺伝子が含まれ、また、目的の細胞へ分化させる段階でも、未分化の細胞が残っているなどのケースでは、「がん化」の可能性がありました。
このように、「iPS細胞」の作製、そして、目的の細胞を作り出すための分裂や増殖には、「細胞のがん化」が深く関係しているようです。
この点について、番組では「iPS細胞を作り出す過程は、がん化が起こる過程と重複しており、紙一重」である事が述べられていました。
さらに、「イモリのような再生能力を人間に与えないのは、がんを裂けるための進化なのでは」ともお話されていました。これらのお話は、安保氏の講演であった「解糖系」と「ミトコンドリア系」のお話にも通じる内容でした。
下の写真は、iPS細胞細胞です。右が、出来る瞬間の様子、中央は、がん化したiPS細胞のようです。
iPS細胞細胞についてのお話は、世界で初めてその作製を発表された山中教授が出演しての内容でした。そして、
「人間が 50歳まで生きるようになってきたが、10数歳まで生きないと、次の世代に子孫を残すことができないから、その期間はがんを起こさない必要があって、そのために涙をのんで再生能力を犠牲にしたのではないだろうか」
ともお話されていました。この事は、先日講演された安保氏の講演と、真逆の考え方である点に気がつきました。それは、
○ 子どもは解糖系が優位
・分裂して成長、エネルギー効率が悪い
○ お年寄りはミトコンドリア系が優位
・有酸素でエネルギーを効率的に作り出すことができる
・持続力
○ 成人は 1:1 のバランス
という特徴がありました。ですから、10数歳までは、解糖系が優位の分裂成長を基本とし、年を取ったら、ミトコンドリア系優位の持続力を基本としていることになります。
命を再生する iPS細胞細胞を作り出す事と、患者の命を奪うがん細胞との戦いの両者は、ともに「がん化」が共通していました。
長い投稿になりました。ジャーナリストの立花隆氏が、京都駅の改札口を背にしてお話されていた事が、とても印象的でした。
「この人の途切れることのない人混みの中で、1/2 の人にがんが起こり、1/3 の人ががんで亡くなります。がんは、細胞の病気、DNAの病気で、生命が長い歴史の進化で多細胞となり、自己の再生産の繰り返しが、生命の歴史そのもので、その延長上に我々がいます。
細胞の再生そのものががんで、そのために、がんにとらわれざるを得ません。」
として、自分自身が、今後、がんが再発し転移したら、抗がん剤を使わないで、残された時間を有意義に過ごしたいとお話されていました。
そして、
「自分自身が、生きている間に、がんが克服されることはほどんどなく、生命そのものがはらんで避けることのできない側面に来たときに、どこかでがんと折り合いをつけないといけない。」
として、がんの性質がわかればわかるほど、がんを制圧するのが難しい段階に来ていることがわかり、残された時間をあえてクオリティーオブライフを下げて、数ヶ月寿命を延ばすのではなく、「死ぬまで生きる力」を持ち続けてがんを克服したいと話されていました。
何度も登場して来ますが「過酷な内部環境」の状態である「低体温・低酸素状態」へと導くのが「過度な交感神経の緊張」でした。
そして、「低体温、低酸素が続くと、過酷な内部環境が、解糖系でしか生きられない、分裂の世界でしか生きられないよう変化させようと、それで、遺伝子を変異させて、20億年前の分裂の専門細胞に先祖返りする」のが、がんの特徴でした。
今まで見てきたように、がんの浸潤や転移になる前に、病気にならない生き方への勇気ある切り替えが必要なようです。その垣根を越えてしまってからの回復には、なかなか難しい事がわかります。
下記の図は、三分割していたものを、再度一枚のマインドマップでしたものです。
今日もかなり交感神経の緊張が続いているようです。この勢いで突っ走ってしまうと、大変な事になりそうなので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
なお、「・・・ 」内 は、パソコンに入力した文章を、改めて整理しなおした「ひまわり個人の資料」です。
したがって、タイプミス、解釈の間違い等があるかもしれません。個人の勉強にご利用いただくのは大変結構な事なのですが、その範囲を超えてのご使用は「著作権法上の問題に抵触する場合があります」ので、くれぐれもご注意をお願い致します。
● 関連記事
○「医療関連の目次」
○「福田安保理論関連の目次」
・「2014.02.24 生体の恒常性と二つのエネルギー生成系とがんの関係」
・「2014.02.16 遺伝子異常が原因のがんとそうでないがんとの関係」
・「2013.04.20 がん幹細胞と細胞周期調節タンパク質 Fbxw7」
・「2013.03.17 がんに備えるNK細胞の増加と活性は自律神経の相反する働きと連動」
・「2012.02.07 がん細胞とp53遺伝子と酵素DYRK2と細胞周期の関係」
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
・「2010.03.12 病気にならない生き方」
・「2010.03.02 特別講演 健康で生きるための条件」
・「2010.01.28 iPS細胞から分化させた神経細胞とiN細胞」
・「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」
○ 履歴 : 2009「2009.03.21 今日から会津の実家へ行ってきます」気象データなし
○ 気温 : 今日の最低 + 7.2( +1.7(15:15))最高 +13.4(00:49)/ 昨日 : + 4.3 / + 7.9
昨晩は、風が強く吹き荒れ、多少、雨足は弱くなるときもありましたが、かなりの勢いで降っていました。朝起きると、ときおり降りはするものの、徐々にやんでいきました。
ただ、暖かな気温からずいぶん寒くなってきました。今日の最高気温をみても、午前 00:49 に記録してたんですね。相変わらず風が吹いていました。
やんでいた雨が、午後三時過ぎ頃から、再び降り出しましたが、そのときには、雪となっていました( +1.7(15:15))。今日は、本当に変な天気でした。
今日は、午前中に山へ行ってきましたが、車に乗り込もうとすると、ガラスが汚れている事に気がつきました。この雨と黄砂によるものとわかりました。
上の写真、右は、今日のラベンダー畑の様子です。何となく先端の葉っぱが緑色を増したような感じがしました。下の写真は、畑の周りの風景です。
相変わらずいたる所にモグラの穴がありました。素晴らしい力です。苗以外の場所を歩き回る方法を考えついたら、とても助かるのになぁ。右は、栗の畑です。
植物たちが動き出してきたようです。この寒さに、新しく芽生えた葉っぱが震えているようです。真っ赤な花を咲かせる花梅の花が開花していました。今日が開花日(といっても一輪ですが)になりました。
今日は、彼岸の中日でした。ばっぱは、朝からお供えのモチ作りに大忙しのようでした。下の写真は、もちの上にトッピングするタレです。ゴマダレ、クルミダレ、あんこ、そして、きな粉でした。
下の写真は、今日のお昼ご飯です。さきほどのモチ、それに、カレーライスでした。午後五時前だったでしょうか、外を見てみると吹雪になっているではありませんか。
右の写真が、その様子なのですが、あまり雪が見えていませんが、凄かったんですよ。でも、夜にはやんでいました。
下の写真は、今日の晩ご飯です。もやしと豚肉の蒸し煮、おから、そして、小松菜と豆富じゃがいものみそ汁でした。そのほか、ふろふき大根と、ニンジンのみそ炒めもありました。
随分前の事になりますが、2009.11.23 に NHK スペシャルで「がん 生と死の謎に挑む」というタイトルの番組が放送されていました。
この番組では、ご自身ががんと戦われているジャーナリストの立花隆氏が、取材を通して、がんに関する最先端の科学的な研究などを明らかにされ、がんの本質に迫っていく様子が放送されていました(立花隆 思索ドキュメント)。
昨日の記事の、
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
でも投稿しましたが、最終的には、がん細胞もまた、正常な幹細胞の持つ「身体を使う仕組みの多くの機能」を持っているために、正常な幹細胞に影響を及ぼさずに、がん細胞の機能だけをとめることは難しい、という事実に到達され、自分自身が、がんとどう向き合って今後過ごしたらよいのかを考える方向へと、目を向けられたようでした。
番組の冒頭では、100年目を向かえた世界最大のがん学会の模様が写し出されていました。何でも、この学会から 35人のノーベル賞受賞者が生まれたそうなのですが、そのような学者の方々の研究でも、がんについてのごく一部が解明されているに過ぎないとの事でした。
がんを克服するためには、ある方は、まだまだ 100年ほどに及ぶほど長い長い道のりであるとか、50年以内には何とか解明できるかもしれない、などのお話がありましたが、現代の英知を集めてその答えを求めても、一筋縄ではいかない現状があるようでした。
そこで、立花氏は、初めて「がん遺伝子」を発見された方に「がんとは一体何なのか」という事を通して、いつになったら人類はがんを克服できるのかを伺いました。
それによると、
・1982年がん治療薬の研究開発の基礎を築く
・がんになる原因を知ることができた
・1971年と比較してがん治療はそれほど向上していない
・がんの原因を知ってもそれを取り除いたり治す事は想像以上に難しい
という事で、生きている事自体ががんを産んでいるから、というのが答えでした。この「がんになる原因」というのが「ミスコピー」でした。
一日に数千億の細胞が、遺伝子をコピーして生まれ変わっているのだそうですが、逆の事から考えると、どこかの細胞がミスを犯して「がん」になる事の方があたり前だというのです。
むしろ、60、70、80歳になるまで、身体が崩壊したり、がんにならないことの方が「奇跡」で、このミスコピーががんにつながっていくというのです。
このミスコピーを引き起こす仕組みは、「パスウェー」と呼ばれる「細胞同士の信号のやり取りを表す「信号経路」」と密接な関係にありました。下の写真、左が、そのパスウェーと呼ばれる信号経路です。
この複雑な信号が、がんに変える仕組みと関係があるというのです。そのカギを握っているのが、がん遺伝子と呼ばれている「Ras(ラス)遺伝子」です。この遺伝子が働くと、パスウェーを通して、細胞を分裂・増殖させる命令が出されてしまうようです。
この「Ras 遺伝子」が異常を起こすと、パスウェーを介して「増殖」の命令が細胞間に伝えられ、その命令を受け入れた細胞は、再現なく増殖を繰り返す結果、がん化してしまうのだそうです。
中央の写真は、細胞間の信号経路の様子を示していたものだったはずです。右は、「Ras 遺伝子」のイメージです。以下の写真は、いずれも、テレビの画像から撮させていただいたものです。
したがって、がんになる原因は、パスウェーに異常な信号が発せられることによって引き起こされるということが理解できるかと思いますが、そのように簡単なものではなのだそうです。
それは、今見てきたように、パスウェーに異常な信号を送り届ける遺伝子は、「Ras 遺伝子」だけではなく、また、細胞自体にも、宇宙のように張り巡らされたパスウェーが存在しているためなのだそうです。
その事は、最先端の抗がん剤である「分子標的薬」であっても、その効き目がなくなるほどの複雑さなのだそうです。
この薬は、異常な信号を出すパスウェーをふさいでがんを治療するもので、パスウェーの入り口でスイッチの役目を果たす物質の結合を押さえる事で、その効果が発揮できるのだそうです。下の写真、左が、その様子を表したものです。
ところが、ふさがれたパスウェーの途中からでも信号を出す事ができるように、がん細胞は、遺伝子を変化させて対応し、また、異なる経路から信号を送ったりして、薬としての効き目がなくなってしまうところに、その複雑さを伺い知ることができます。
下記の図は、今までの事柄について対応したマインドマップです。大きな図を三分割した一つです。「Ras 遺伝子」を抑制する働きをする「N-Ras 遺伝子」遺伝子もあるようです。
がん細胞は、このように再現なく増殖を繰り返していくのだそうですが、その次のステップが「浸潤(しんじゅん)」といって、周りの組織にしみいってくるように広がり、やがて、全身に転移する形で増殖して行くのだそうです。統計上では、八割以上の再発の可能性があるのだそうです。
そして、この浸潤や転移に深く関わり合いのあるのが、やはり遺伝子でした。その遺伝子は「HIF1(ヒフワン)遺伝子」です。この遺伝子が、昨日投稿した、
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
と、深い関係にありあました。この遺伝子は、生物が歩んできた進化と深く関わり合いがありました。そう、「低体温、低酸素」という環境で、盛んに作られる物質「HIF1」を作り出す「HIF1 遺伝子」でした。
この放送は、2009.11.23 に行われたものでしたので、「低酸素」というキーワードが、昨日投稿した安保氏の講演とリンクしたんです。それが「過酷な内部環境」の状態を意味するのではないかと思います。
そのような環境へ導いてしまう要因は「過度な交感神経の緊張」でした。
がん細胞が増殖して、次のステップである「浸潤」するときに使う遺伝子が「HIF1 遺伝子」なのだそうです。
がん細胞が、血管を作りだし、栄養を得ながら再現なく増殖してくると、その中心部には、血液が届きにくい状態になってしまうそうなんですが、その状態こそが「酸素不足」で、低酸素領域では、通常の細胞であれば生きていく事ができません。
そこで、
○ がん細胞の生存能力を高める
・低酸素状態でも生きる事ができるよう
○ がん細胞の動き出す能力を高める
・低酸素状態でも逃げ出す事ができるよう
導くのが「HIF1」の働きでした。番組では、この事を「がんの中で自然淘汰が起こる」と表現されていました。それは、低酸素の状態でも耐えられるがん細胞だけが生き残ることになり、非常に「強力ながん細胞」が残っていく事を意味します。
下の写真は、低酸素領域、「HIF1」などを表したものです。
がん細胞が増殖して浸潤する仕組みが解明できましたから、この「浸潤」を促す「HIF1 遺伝子」を取り除けば、浸潤や転移が防げるのでは、と考えることは当然のことです。
ところが、この遺伝子は、生命の初期段階で重要な役割を果たしてる遺伝子でした。それは、この遺伝子を取り除いたネズミの胎児が、生まれる前に死んでしまうということで、確認されたようです。
初期の胎児には、血管のない状態で低酸素状態の環境です。そのため、酸素が不足していることを「HIF1」を働かせることで、血管や神経を作りだしているというのです。
しかも、大人になっても、酸素が低い状態かどうかを感知するセンサーとして「HIF1」が全身に使われていることがわかったのだそうです。この事を「低酸素に対応する能力が初期の生物にもあり、「HIF1」は動物の進化の中でずっと保存されてきた遺伝子でもあった」というようにいわれていました。
前述の安保氏の講演でも、
○ 無酸素でもエネルギーを作り出すことができる仕組み
・嫌気的な環境
・解糖系(グルコース → ピルビン酸 → 乳酸)
・瞬発力と分裂、成長
・皮膚や白筋など(ミトコンドリアが少ない)
というお話が登場してきましたが、まさに、その事に関わっているのが「HIF1 遺伝子」のように思われます。
がんに関係する遺伝子の多くは、生命の存続にもっとも基本的な部分で関わり合いのあるものが多いのだそうです。下記の図は、今までの事柄を、マインドマップ化したものです。
がん細胞が増殖し、低酸素の状態でも耐えられる「強力ながん細胞」が浸潤してくる過程を見てきましたが、次の段階に起こるのが「転移」だそうです。
そのときに関係するのは、免疫細胞でした。中でも、マクロファージとがんの関係が明らかにされました。本来、異物を食べて処理する重要な働きを持っているマクロファージが、異物である「がん細胞」を攻撃するのではなく、がん細胞の転移を手助けしているというのです。
しかも、マクロファージは、「あくまでも本来の機能を果たしているにすぎない」というところにポイントがありました。
がん細胞に、マクロファージが集まってきて、そのマクロファージによって導かれるように浸潤していることが確認されたのだそうです。
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」
では、がん細胞が、免疫細胞を死滅させ「転移」させたり、活性化させたりする「遺伝子」を持っていることを投稿しました。
下の写真、左は、本来の姿のマクロファージで異物を食べている様子です。中央は、確か、マクロファージががん細胞に集まってきている様子だったかと思います???。
これらの仕組みは、傷を治すときに働くマクロファージの仕組みと密接に関係しているのだそうです。あくまでも仮説という事でお話されていましたが、傷口ができたときに「救援を求める物質」が放出されるのだそうです。
その物質を感知する事で、マクロファージなどの免疫細胞が集結し、細胞の成長や移動を促す物質を放出して傷口を修復するのだそうです。「救援を求める物質」については、
・「2007.12.27 骨髄幹細胞と再生医療」
でも、ご紹介しましたが、がん細胞は、どうも、その「救援を求める物質」を放出するようで、その事によってマクロファージが引き寄せられ、結果、細胞の成長や移動を促す物質をマクロファージが放出する事で、がん細胞は、移動を始めることができる、という事のようでした。
さらに、マクロファージは、移動を促す物質を契機にがん細胞を移動させるだけではなく、周囲の細胞を壊す物質を放出しながら、がん細胞の通り道まで作ってしまうそうです。その事が、がん細胞の転移を可能とする理由のようでした。
下記の図は、今までの事を、マインドマップ化したものです。
その他、がん細胞を助けている正常細胞との関係についても触れられていました。白血病は血液のがんの一種ですが、正常細胞が、白血病細胞の隠れ蓑となってその隠れ家を提供したり、栄養を与えているという関係が明らかになり、がん細胞を攻撃する抗がん剤治療の難しさについてもお話されていました。
このことは、がん細胞とはいえ、自分自身の細胞にかわりはなく、それを抗がん剤によって、正常な細胞までをも攻撃してしまうこと事に、改めて、がんとは何かという問題に悩まれておられたようです。
また、「がん幹細胞」説についても話が及びました。この考え方には、抗がん剤による治療が、場合によっては、生命そのものの根幹を揺るがす事につながってくる要因が隠されていました。
すべてのがん細胞が、同じように増殖して腫瘍を作ると考えられてきましたが、すべて同じではないという説です。そして、それが、正常な細胞と密接な関係にあるという事実でした。
がん細胞の分類を試み、「がん幹細胞」に分類されるがん細胞を注射したら、数個で増殖して腫瘍を作る事がわかったそうです。その他に分類されるがん細胞では、数十万個入れても腫瘍ができなかったそうです。
がん幹細胞は、がん細胞を生み出す「もと」になる細胞で、その子孫が急速にがんを作り出すことがわかってきたそうなんですが、抗がん剤では、その子孫のがんを攻撃する事はできても、大元となっている「がん幹細胞」には効かないそうです。
・「2013.04.20 がん幹細胞と細胞周期調節タンパク質 Fbxw7」
しかも、その薬に対して「耐性」をもち、より強力ながん細胞を作り出すとの事でした。そこで、このがん幹細胞の遺伝子を解析したところ、正常な幹細胞ときわめて似ていることがわかったそうです。
幹細胞は、様々な細胞に生まれ変わることのできる細胞でした。ということは、抗がん剤による治療は、正常な幹細胞にまで影響を与え、場合によっては、生命そのものにもダメージを与える可能性がある事を示唆しています。
そこで表現された事が、昨日投稿した記事や、前述のお話に出て来た内容でした。それは、最終的には、がん細胞もまた、正常な幹細胞の持つ「身体を使う仕組みの多くの機能」を持っているために、正常な幹細胞に影響を及ぼさずに、がん細胞の機能だけをとめることは難しい、という事でした。
下の写真は、幹細胞だけはわかるのですが、左と中央は、どの場面の写真なのかわからなくなりました。左の方が、がん細胞にマクロファージなどの免疫細胞が集まっている様子だったでしょうか?? 中央は、正常細胞が白血病細胞の隠れ家を表しているのでしょうか。??
以上の考え方で、一番カレントな話題が「iPS細胞」でした。ひまわりブログでは、以前より「iPS細胞」に関しては、いろいろな内容の記事をご紹介してきました。その中で、iPS細胞の作製には、がん化の懸念が常につきまとってきました。
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--------(追記↓この部分から下は追記部へ(このラインを削除の事) 以下続きです
○「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・細胞の増殖に関係する遺伝子が、がん化などの恐れがあるため、よりいっそう安全な手法の確立が求められていましたが、それらの遺伝子を使わず、遺伝子が作るタンパク質を、あらかじめ別に作っておいて、それを「細胞内に導入する」事で、「iPS細胞」を作り出す事に成功した事をご紹介しました。
○「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「iPS細胞の作製効率」に「がん抑制遺伝子の p53」が関与し、「iPS細胞」の作製過程で、細胞がアポトーシス(プログラムされた細胞死)や増殖停止に導かれるために、効率が悪かった事をご紹介しました。
以上のように、体細胞を初期化して「iPS細胞」を作製する場合の遺伝子には、増殖に関係する遺伝子が含まれ、また、目的の細胞へ分化させる段階でも、未分化の細胞が残っているなどのケースでは、「がん化」の可能性がありました。
このように、「iPS細胞」の作製、そして、目的の細胞を作り出すための分裂や増殖には、「細胞のがん化」が深く関係しているようです。
この点について、番組では「iPS細胞を作り出す過程は、がん化が起こる過程と重複しており、紙一重」である事が述べられていました。
さらに、「イモリのような再生能力を人間に与えないのは、がんを裂けるための進化なのでは」ともお話されていました。これらのお話は、安保氏の講演であった「解糖系」と「ミトコンドリア系」のお話にも通じる内容でした。
下の写真は、iPS細胞細胞です。右が、出来る瞬間の様子、中央は、がん化したiPS細胞のようです。
iPS細胞細胞についてのお話は、世界で初めてその作製を発表された山中教授が出演しての内容でした。そして、
「人間が 50歳まで生きるようになってきたが、10数歳まで生きないと、次の世代に子孫を残すことができないから、その期間はがんを起こさない必要があって、そのために涙をのんで再生能力を犠牲にしたのではないだろうか」
ともお話されていました。この事は、先日講演された安保氏の講演と、真逆の考え方である点に気がつきました。それは、
○ 子どもは解糖系が優位
・分裂して成長、エネルギー効率が悪い
○ お年寄りはミトコンドリア系が優位
・有酸素でエネルギーを効率的に作り出すことができる
・持続力
○ 成人は 1:1 のバランス
という特徴がありました。ですから、10数歳までは、解糖系が優位の分裂成長を基本とし、年を取ったら、ミトコンドリア系優位の持続力を基本としていることになります。
命を再生する iPS細胞細胞を作り出す事と、患者の命を奪うがん細胞との戦いの両者は、ともに「がん化」が共通していました。
長い投稿になりました。ジャーナリストの立花隆氏が、京都駅の改札口を背にしてお話されていた事が、とても印象的でした。
「この人の途切れることのない人混みの中で、1/2 の人にがんが起こり、1/3 の人ががんで亡くなります。がんは、細胞の病気、DNAの病気で、生命が長い歴史の進化で多細胞となり、自己の再生産の繰り返しが、生命の歴史そのもので、その延長上に我々がいます。
細胞の再生そのものががんで、そのために、がんにとらわれざるを得ません。」
として、自分自身が、今後、がんが再発し転移したら、抗がん剤を使わないで、残された時間を有意義に過ごしたいとお話されていました。
そして、
「自分自身が、生きている間に、がんが克服されることはほどんどなく、生命そのものがはらんで避けることのできない側面に来たときに、どこかでがんと折り合いをつけないといけない。」
として、がんの性質がわかればわかるほど、がんを制圧するのが難しい段階に来ていることがわかり、残された時間をあえてクオリティーオブライフを下げて、数ヶ月寿命を延ばすのではなく、「死ぬまで生きる力」を持ち続けてがんを克服したいと話されていました。
何度も登場して来ますが「過酷な内部環境」の状態である「低体温・低酸素状態」へと導くのが「過度な交感神経の緊張」でした。
そして、「低体温、低酸素が続くと、過酷な内部環境が、解糖系でしか生きられない、分裂の世界でしか生きられないよう変化させようと、それで、遺伝子を変異させて、20億年前の分裂の専門細胞に先祖返りする」のが、がんの特徴でした。
今まで見てきたように、がんの浸潤や転移になる前に、病気にならない生き方への勇気ある切り替えが必要なようです。その垣根を越えてしまってからの回復には、なかなか難しい事がわかります。
下記の図は、三分割していたものを、再度一枚のマインドマップでしたものです。
今日もかなり交感神経の緊張が続いているようです。この勢いで突っ走ってしまうと、大変な事になりそうなので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
なお、「・・・ 」内 は、パソコンに入力した文章を、改めて整理しなおした「ひまわり個人の資料」です。
したがって、タイプミス、解釈の間違い等があるかもしれません。個人の勉強にご利用いただくのは大変結構な事なのですが、その範囲を超えてのご使用は「著作権法上の問題に抵触する場合があります」ので、くれぐれもご注意をお願い致します。
● 関連記事
○「医療関連の目次」
○「福田安保理論関連の目次」
・「2014.02.24 生体の恒常性と二つのエネルギー生成系とがんの関係」
・「2014.02.16 遺伝子異常が原因のがんとそうでないがんとの関係」
・「2013.04.20 がん幹細胞と細胞周期調節タンパク質 Fbxw7」
・「2013.03.17 がんに備えるNK細胞の増加と活性は自律神経の相反する働きと連動」
・「2012.02.07 がん細胞とp53遺伝子と酵素DYRK2と細胞周期の関係」
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
・「2010.03.12 病気にならない生き方」
・「2010.03.02 特別講演 健康で生きるための条件」
・「2010.01.28 iPS細胞から分化させた神経細胞とiN細胞」
・「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」
以下続きです
○「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・細胞の増殖に関係する遺伝子が、がん化などの恐れがあるため、よりいっそう安全な手法の確立が求められていましたが、それらの遺伝子を使わず、遺伝子が作るタンパク質を、あらかじめ別に作っておいて、それを「細胞内に導入する」事で、「iPS細胞」を作り出す事に成功した事をご紹介しました。
○「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「iPS細胞の作製効率」に「がん抑制遺伝子の p53」が関与し、「iPS細胞」の作製過程で、細胞がアポトーシス(プログラムされた細胞死)や増殖停止に導かれるために、効率が悪かった事をご紹介しました。
以上のように、体細胞を初期化して「iPS細胞」を作製する場合の遺伝子には、増殖に関係する遺伝子が含まれ、また、目的の細胞へ分化させる段階でも、未分化の細胞が残っているなどのケースでは、「がん化」の可能性がありました。
このように、「iPS細胞」の作製、そして、目的の細胞を作り出すための分裂や増殖には、「細胞のがん化」が深く関係しているようです。
この点について、番組では「iPS細胞を作り出す過程は、がん化が起こる過程と重複しており、紙一重」である事が述べられていました。
さらに、「イモリのような再生能力を人間に与えないのは、がんを裂けるための進化なのでは」ともお話されていました。これらのお話は、安保氏の講演であった「解糖系」と「ミトコンドリア系」のお話にも通じる内容でした。
下の写真は、iPS細胞細胞です。右が、出来る瞬間の様子、中央は、がん化したiPS細胞のようです。
iPS細胞細胞についてのお話は、世界で初めてその作製を発表された山中教授が出演しての内容でした。そして、
「人間が 50歳まで生きるようになってきたが、10数歳まで生きないと、次の世代に子孫を残すことができないから、その期間はがんを起こさない必要があって、そのために涙をのんで再生能力を犠牲にしたのではないだろうか」
ともお話されていました。この事は、先日講演された安保氏の講演と、真逆の考え方である点に気がつきました。それは、
○ 子どもは解糖系が優位
・分裂して成長、エネルギー効率が悪い
○ お年寄りはミトコンドリア系が優位
・有酸素でエネルギーを効率的に作り出すことができる
・持続力
○ 成人は 1:1 のバランス
という特徴がありました。ですから、10数歳までは、解糖系が優位の分裂成長を基本とし、年を取ったら、ミトコンドリア系優位の持続力を基本としていることになります。
命を再生する iPS細胞細胞を作り出す事と、患者の命を奪うがん細胞との戦いの両者は、ともに「がん化」が共通していました。
長い投稿になりました。ジャーナリストの立花隆氏が、京都駅の改札口を背にしてお話されていた事が、とても印象的でした。
「この人の途切れることのない人混みの中で、1/2 の人にがんが起こり、1/3 の人ががんで亡くなります。がんは、細胞の病気、DNAの病気で、生命が長い歴史の進化で多細胞となり、自己の再生産の繰り返しが、生命の歴史そのもので、その延長上に我々がいます。
細胞の再生そのものががんで、そのために、がんにとらわれざるを得ません。」
として、自分自身が、今後、がんが再発し転移したら、抗がん剤を使わないで、残された時間を有意義に過ごしたいとお話されていました。
そして、
「自分自身が、生きている間に、がんが克服されることはほどんどなく、生命そのものがはらんで避けることのできない側面に来たときに、どこかでがんと折り合いをつけないといけない。」
として、がんの性質がわかればわかるほど、がんを制圧するのが難しい段階に来ていることがわかり、残された時間をあえてクオリティーオブライフを下げて、数ヶ月寿命を延ばすのではなく、「死ぬまで生きる力」を持ち続けてがんを克服したいと話されていました。
何度も登場して来ますが「過酷な内部環境」の状態である「低体温・低酸素状態」へと導くのが「過度な交感神経の緊張」でした。
そして、「低体温、低酸素が続くと、過酷な内部環境が、解糖系でしか生きられない、分裂の世界でしか生きられないよう変化させようと、それで、遺伝子を変異させて、20億年前の分裂の専門細胞に先祖返りする」のが、がんの特徴でした。
今まで見てきたように、がんの浸潤や転移になる前に、病気にならない生き方への勇気ある切り替えが必要なようです。その垣根を越えてしまってからの回復には、なかなか難しい事がわかります。
下記の図は、三分割していたものを、再度一枚のマインドマップでしたものです。
今日もかなり交感神経の緊張が続いているようです。この勢いで突っ走ってしまうと、大変な事になりそうなので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
なお、「・・・ 」内 は、パソコンに入力した文章を、改めて整理しなおした「ひまわり個人の資料」です。
したがって、タイプミス、解釈の間違い等があるかもしれません。個人の勉強にご利用いただくのは大変結構な事なのですが、その範囲を超えてのご使用は「著作権法上の問題に抵触する場合があります」ので、くれぐれもご注意をお願い致します。
● 関連記事
○「医療関連の目次」
○「福田安保理論関連の目次」
・「2014.02.24 生体の恒常性と二つのエネルギー生成系とがんの関係」
・「2014.02.16 遺伝子異常が原因のがんとそうでないがんとの関係」
・「2013.04.20 がん幹細胞と細胞周期調節タンパク質 Fbxw7」
・「2013.03.17 がんに備えるNK細胞の増加と活性は自律神経の相反する働きと連動」
・「2012.02.07 がん細胞とp53遺伝子と酵素DYRK2と細胞周期の関係」
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
・「2010.03.12 病気にならない生き方」
・「2010.03.02 特別講演 健康で生きるための条件」
・「2010.01.28 iPS細胞から分化させた神経細胞とiN細胞」
・「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」
○「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・細胞の増殖に関係する遺伝子が、がん化などの恐れがあるため、よりいっそう安全な手法の確立が求められていましたが、それらの遺伝子を使わず、遺伝子が作るタンパク質を、あらかじめ別に作っておいて、それを「細胞内に導入する」事で、「iPS細胞」を作り出す事に成功した事をご紹介しました。
○「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「iPS細胞の作製効率」に「がん抑制遺伝子の p53」が関与し、「iPS細胞」の作製過程で、細胞がアポトーシス(プログラムされた細胞死)や増殖停止に導かれるために、効率が悪かった事をご紹介しました。
以上のように、体細胞を初期化して「iPS細胞」を作製する場合の遺伝子には、増殖に関係する遺伝子が含まれ、また、目的の細胞へ分化させる段階でも、未分化の細胞が残っているなどのケースでは、「がん化」の可能性がありました。
このように、「iPS細胞」の作製、そして、目的の細胞を作り出すための分裂や増殖には、「細胞のがん化」が深く関係しているようです。
この点について、番組では「iPS細胞を作り出す過程は、がん化が起こる過程と重複しており、紙一重」である事が述べられていました。
さらに、「イモリのような再生能力を人間に与えないのは、がんを裂けるための進化なのでは」ともお話されていました。これらのお話は、安保氏の講演であった「解糖系」と「ミトコンドリア系」のお話にも通じる内容でした。
下の写真は、iPS細胞細胞です。右が、出来る瞬間の様子、中央は、がん化したiPS細胞のようです。
iPS細胞細胞についてのお話は、世界で初めてその作製を発表された山中教授が出演しての内容でした。そして、
「人間が 50歳まで生きるようになってきたが、10数歳まで生きないと、次の世代に子孫を残すことができないから、その期間はがんを起こさない必要があって、そのために涙をのんで再生能力を犠牲にしたのではないだろうか」
ともお話されていました。この事は、先日講演された安保氏の講演と、真逆の考え方である点に気がつきました。それは、
○ 子どもは解糖系が優位
・分裂して成長、エネルギー効率が悪い
○ お年寄りはミトコンドリア系が優位
・有酸素でエネルギーを効率的に作り出すことができる
・持続力
○ 成人は 1:1 のバランス
という特徴がありました。ですから、10数歳までは、解糖系が優位の分裂成長を基本とし、年を取ったら、ミトコンドリア系優位の持続力を基本としていることになります。
命を再生する iPS細胞細胞を作り出す事と、患者の命を奪うがん細胞との戦いの両者は、ともに「がん化」が共通していました。
長い投稿になりました。ジャーナリストの立花隆氏が、京都駅の改札口を背にしてお話されていた事が、とても印象的でした。
「この人の途切れることのない人混みの中で、1/2 の人にがんが起こり、1/3 の人ががんで亡くなります。がんは、細胞の病気、DNAの病気で、生命が長い歴史の進化で多細胞となり、自己の再生産の繰り返しが、生命の歴史そのもので、その延長上に我々がいます。
細胞の再生そのものががんで、そのために、がんにとらわれざるを得ません。」
として、自分自身が、今後、がんが再発し転移したら、抗がん剤を使わないで、残された時間を有意義に過ごしたいとお話されていました。
そして、
「自分自身が、生きている間に、がんが克服されることはほどんどなく、生命そのものがはらんで避けることのできない側面に来たときに、どこかでがんと折り合いをつけないといけない。」
として、がんの性質がわかればわかるほど、がんを制圧するのが難しい段階に来ていることがわかり、残された時間をあえてクオリティーオブライフを下げて、数ヶ月寿命を延ばすのではなく、「死ぬまで生きる力」を持ち続けてがんを克服したいと話されていました。
何度も登場して来ますが「過酷な内部環境」の状態である「低体温・低酸素状態」へと導くのが「過度な交感神経の緊張」でした。
そして、「低体温、低酸素が続くと、過酷な内部環境が、解糖系でしか生きられない、分裂の世界でしか生きられないよう変化させようと、それで、遺伝子を変異させて、20億年前の分裂の専門細胞に先祖返りする」のが、がんの特徴でした。
今まで見てきたように、がんの浸潤や転移になる前に、病気にならない生き方への勇気ある切り替えが必要なようです。その垣根を越えてしまってからの回復には、なかなか難しい事がわかります。
下記の図は、三分割していたものを、再度一枚のマインドマップでしたものです。
今日もかなり交感神経の緊張が続いているようです。この勢いで突っ走ってしまうと、大変な事になりそうなので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
なお、「・・・ 」内 は、パソコンに入力した文章を、改めて整理しなおした「ひまわり個人の資料」です。
したがって、タイプミス、解釈の間違い等があるかもしれません。個人の勉強にご利用いただくのは大変結構な事なのですが、その範囲を超えてのご使用は「著作権法上の問題に抵触する場合があります」ので、くれぐれもご注意をお願い致します。
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○「福田安保理論関連の目次」
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・「2013.03.17 がんに備えるNK細胞の増加と活性は自律神経の相反する働きと連動」
・「2012.02.07 がん細胞とp53遺伝子と酵素DYRK2と細胞周期の関係」
・「2010.03.20 二つの生き物の合体とがんの謎」
・「2010.03.12 病気にならない生き方」
・「2010.03.02 特別講演 健康で生きるための条件」
・「2010.01.28 iPS細胞から分化させた神経細胞とiN細胞」
・「2009.08.11 iPS細胞とp53遺伝子」
・「2009.04.27 iPS細胞と大腸菌」
・「2007.02.02 がん細胞による免疫活性とがん化」