昨日から、秋田は本格的な春に入ったような、そんな感じを受ける天気が続きます。特に、今日は、天気と温度がいままでにないくらい暖かで陽の光がまぶしかったようです。

朝の最低気温が 2.9度、最高気温も 14.5度と、ちょっと歩くだけでも汗ばむ陽気でした。その暖かさは、梅の花を開花させました。

下の写真は、今日の山の様子。左は、普通の梅の花です。一輪だけ咲き出しました。中央は、高田梅の花芽、もうすぐ咲きだしそう。右は、斜面に青々と芽を伸ばしたひろっこ。奥に栗の木が見えます。この木の右側には、下の花梅がとてもきれいな花を咲かせていました。

20070404お寿司 20070405のり巻き 20070405ハーブのハチミツ

まっすぐに上へ伸びるタイプのようで、花の咲いている所が、とても上の先端の枝です。幹の付け根付近にでている枝に咲いたとてもきれいな花を写しました。

20070404お寿司< 20070405のり巻き 20070405ハーブのハチミツ

今日のお昼は、タマゴ、かつお節、トンブリ入りの長芋でした。この暖かさで、今まで気がつかなかったハーブ達も顔を出してきたようです。下の写真、中央は、ラベンダーの株の周りに、昨年こぼれ落ちた種が芽吹いてきたのでしょうね。

カモマイル ジャーマンです。右は、アスファルトのすき間から芽を出したレモンバームです。

20070404お寿司 20070405のり巻き 20070405ハーブのハチミツ

下の写真、左は何かわかりますか?二つのハーブが葉っぱを出していました。中央は、クマツヅラです。右は、ひまわりの下着です。汚れているようですが、これ、オレンジ スィート が入っているブレンドオイルを垂らしたことによる「シミ」でした。大丈夫だろうな、と思っていたのですが、やはりちょっと黄ばみのシミになってしまっていました。

20070404お寿司 20070405のり巻き 20070405ハーブのハチミツ

上の写真、左のハーブは、西洋ノコギリ草と野イチゴでした。下の写真は、山に咲いている花梅の花。画像をクリックすると大きな画像が楽しめますよ。

20070407花梅の花1

下の写真、同じ山に咲いている花梅の花。この花梅の木は、全く頭にありませんでした。暖かさに誘われ、斜面を登っていくうちに、見つけました。画像をクリックすると大きな画像が楽しめますよ。

20070407花梅の花2

先日(4月2日の秋田魁新報朝刊) 「胃がんの発症 ピロリ菌感染で関係遺伝子変異」の記事が載っていました。

時間があるときに、ちょっと調べてみたい事がありましたので、少し時間が経ってしまいました。それは、以前
2007.02.15 ホップと花粉症からの連想ゲームで投稿したホップフラボノールとヒスタミンとの関係の記事と、一部重複する部分があるのかなぁと思ったからでした。

二つ目は、ピロリ菌の感染と福田安保理論の事。自律神経と免疫の法則では、交感神経の過度な緊張は、消化器系の働きを抑制し、胃酸分泌が抑制され、ピロリ菌との共存関係に不具合が起こり、また、顆粒球による胃壁への炎症や組織破壊により、胃潰瘍からがんへ進んで行くことを説明しています。

今回の新聞の記事は、実際にピロリ菌に感染した胃の細胞と、その事が特定の遺伝子の働きを活性化し、それが最終的には、がんを抑制している遺伝子に変異を引き起こしている「
胃がんのメカニズム」を解明したことが載っていました。

この部分の理解だけでも、とても難しく難解なメカニズムが働いているらしいのですが、ヒスタミンや福田安保理論を加えた「胃の変調」の相関図を書き表そうと思ったら、さらに複雑で、矢印がクモの巣のように張り巡らされた図になってしまいました。その図が下記の図です。

20070407胃がんの発症とピロリ菌

まず、新聞に掲載された記事である「ピロリ菌感染」と「関係遺伝子」、その事と「胃がんの発症」の過程だけに的を絞って見たいと思います。

● きっかけ
○ ピロリ菌に感染した胃がんの患者さん
・患者さんの胃の粘膜を調べる
・通常は働いていない免疫に関係する遺伝子が活性化しているのを発見

● 実験
○ 培養したヒトの胃の細胞で実験
・胃の細胞にピロリ菌を感染 〜 上の図では(1)ピロリ菌感染
・免疫に関係する遺伝子が働く 〜 上の図では(2)AID(酵素)
・結果的にがんを抑制する遺伝子などが変異 〜 上の図では (3)p53を変異 胃がんへ

● 検証
○ 免疫に関係する遺伝子を働かせない
・がんを抑制する遺伝子の変異が少なかった
・C型肝炎ウイルスにより肝炎から肝がんになる場合にも免疫に関係する遺伝子が関係している

ということでした。

まず「
ピロリ菌の感染」が、胃がんへと進む一番のスタートライン。感染が進んだ胃の細胞では、

・ピロリ菌が、本来免疫細胞である「B細胞」でしか働かないはずの「AIDという酵素」を利用して
・がん抑制遺伝子といわれている「p53遺伝子」に変異を起こさせ
・結果的に胃のがん細胞の増殖を止める事ができず、あるいは
・修復不能な細胞として、アポトーシス(細胞死)へ導くことができなくなり
・胃がんの発症を許してしまう

というものでした。「AIDという酵素」は、異物である「抗原」に対応するための「抗体」の「遺伝子配列」を書き換え「多種多様の抗体」を作るのに関係している「抗体遺伝子」すべてに関係している酵素だそうです。免疫細胞である「B細胞」でしか働かないとのこと。

下記の図は、その「B細胞」が作り出す「抗体」の構造を示したものです。とてもややこしい図なんですが、何でも抗体の構造は、

・抗体を構成しているアミノ酸の結合の長さ(重鎖、軽鎖)
・多様な抗原に対応するため、アミノ酸配列に多彩な変化がみられるか、比較的変化が少ないか(可変領域、定常領域)
・抗原と結合する部位か、結合した後の免疫反応を引き起こす部位(Fab領域、Fc領域)か

によって、いろいろな名称で呼ばれ、分類区分されている様です。

20070407抗体の仕組み

一般的には、二番目の定常領域の構造上による違いにより、免疫グロブリン(抗体)の「IgM、IgG、IgA、IgE、IgD」の5種類が分類されているのだそうです。

抗原に対抗するために「特異的」に働く特性を維持したまま、上記抗体へと変化する現象や、多種多様な抗原に対応するために、アミノ酸配列を変化させる現象は、いろいろな領域の遺伝子が関係し、その反応すべてに「
AID」という酵素が関係しているのだそうです。

また、「
p53遺伝子」は、がん抑制遺伝子といわれ、p53タンパク質を作りだすための遺伝子です。この遺伝子から作り出された「p53タンパク質」は、細胞内の DNA の損傷などを監視して、DNA損傷を検出するシステムを作りだしているそうです。

細胞が損傷を受けた場合

・DNAを修復すべきか
・修復する場合、修復されている間細胞分裂を停止させる
・修復不可能である場合、アポトーシスを引き起こすべきか

という、とても重要な働きをしているそうです。アポトーシスは、個体をよりよい状態へ保つために積極的に死へ導くために引き起こされる細胞死の事をいいます。そして、この遺伝子は、人間のがんの半数以上に関係していると考えられているとの事ですから、まさに「がん抑制遺伝子」ですね。

このように、ピロリ菌に感染された「胃の細胞」は、多種多様な抗原に対応するために、本来「B細胞」にのみ働く「抗体遺伝子」すべてに関与する「
酵素 AID」を利用し、がん抑制遺伝子として働く、細胞内の DNAの損傷などを監視する働きをする遺伝子を変異させ、胃がんへと導くというのが、今回新聞に投稿された記事の内容かと思います。

今回の記事の内容が理解できたところで、次の二点との関連も明らかにしたいと思います。長い文章だったために、図が、とても上の方へ配置されてしまっていますけど、もう一度戻ってみて下さい。

● ホップフラボノールとヒスタミンとの関係
○ ヒスタミンを受け取る受容体の違い
・ホップフラボノール HF31はヒスタミンの遊離を抑制
・ヒスタミンは、毛細血管を拡張させ、花粉症などのアレルギー症状を引き起こす
・さらに、血管壁の透過性を大きくして、じん麻疹などの症状までも引き起こす
・同じように胃液の分泌を促進させる
○ 受容体の違いにより薬を使い分ける
・前者の症状には抗ヒスタミン剤
・後者の症状には H2ブロッカー

● ピロリ菌の感染と福田安保裡輪
○ 胃潰瘍の原因
・胃酸過多が胃潰瘍の一般的な要因
・そのために、H2ブロッカーを利用 〜 胃液の抑制もさる事ながら、顆粒球の働きを抑制
・福田安保裡輪では、交感神経の緊張が顆粒球の働きを促進させ常在菌に反応
・ピロリ菌も常在菌
・ピロリ菌は、制酸剤や、交感神経の緊張による胃酸の分泌抑制は、胃の内部環境を乱し菌の定着を促す
・交感神経緊張により、マクロファージなどが産生する種々のサイトカインがさらに顆粒球を刺激
・ピロリ菌が産生するアンモニアとサイトカインが発ガン性の高い物質へ
・顆粒球による活性酸素の攻撃で組織破壊を引き起こす
・胃潰瘍、がん細胞へ

ということがいわれています。

長引くストレスは、交感神経をさらに緊張させ、消化器系を抑制してしまいます。その結果、上記に示したように、胃潰瘍、さらにはがん細胞へと導いてしまうことになります。しかも、それだけではなく、生体が飢餓状態へと陥ってしまう事になります。

そういった状態のとき、おもしろいことに、生体は、一過性の「
副交感反応」を引き起こし、胃の蠕動運動や胃酸、消化酵素分泌反応を促進するのだそうです。

ところが、薬剤を利用することは、このような生体の合目的性を保つような「
副交感反応」を困難な方向へと導き、さらなる「交感神経の緊張」の悪循環へと導く事になるのだそうです(2005.12.31 体調とプロスタグランジン)。

このように見てくると、福田安保理論では、胃がんの発症の直接の原因は、交感神経の過度の緊張による「顆粒球の働き」に求められるようで、「ピロリ菌」は結果的(二次的)に、胃の内部環境を乱すことで悪影響を及ぼす要因として捉えられているようです。

今回、新聞に掲載されていた記事では、「ピロリ菌」が明らかに、がん抑制遺伝子に変異を与え、胃がんへと発症することを解明したものでした。ひまわりは、安保氏の下記のような「遺伝子」に対しての考え方を思い出しました(
免疫革命、安保徹、講談社インターナショナル p84)。

「ガン遺伝子というものは、そもそも正常な細胞が分裂、増殖するときの増殖関連物質の遺伝子だったということです。だから、再生上皮の細胞分裂が交感神経緊張状態の刺激によって増殖をあまりにも強いられると、顆粒球がおしかけて、活性酸素でダメージを与え、その増殖遺伝子に DNAの変化が起こって、ガン細胞をつくる指示をだす遺伝子に変貌し発ガンします。これが、発ガンのメカニズムで、べつに最初から悪性の遺伝子というものはないのです」

ピロリ菌感染により、遺伝子が変異したのか、顆粒球のせいなのか、とても難しい事ですが、大元の原因は、「過度な交感神経の緊張」である、という事は否定できない問題だと思います。

ひまわりも過度な交感神経の緊張が起こっているようです。この辺で適当に副交感神経へ切り替える事にしましょう。

● 関連記事
医療関連の目次
薬と身体関連の目次
福田安保理論関連の目次
2008.02.22 ピロリ菌と胃がんの関係
2008.01.27 交感神経緊張と関節リウマチとCKI
2008.01.03 ピロリ菌と胃潰瘍
・「2007.04.07 ピロリ菌とガン抑制遺伝子の変異」

2007.02.15 ホップと花粉症からの連想ゲーム
2005.12.31 体調とプロスタグランジン
2005.10.04 次期ノーベル賞に期待を