今日の秋田は、朝から青空が広がっていました。暖かく、青空が広がるのって、本当に気持ちがホットしますね。ただ、風が強かったようで、帽子が吹き飛ばされるくらいの突風も時おり吹いていました。朝の最低気温が 6.2度と、とても暖か。最高気温は 9.8度と、風があったためでしょうか、すこし低めでした。

下の写真は、昨夜の晩ご飯。左は、貝とイカの刺し身です。中央は、キャベツやニンジンがたっぷり入った野菜スープ。暖かさに誘われて、開きかけていた花梅の花が一輪咲いていました。下の写真、右は、今日撮影したもの。

20070325貝とイカの刺し身 20070325キャベツ野菜のスープ 20070326花梅の花1輪

下の写真、左は、ボケの花芽。大きな膨らみが多数ついていますね。中央は、スイセン。右は、今日のお昼に食べたベーコン目玉焼きです。

20070326ボケの花芽 20070326スイセンの花芽 20070326ベーコン目玉焼き

今日の夕刊(3月26日の秋田魁新報夕刊) に、「アロマの効用」が連載されて、三回目の記事が載っていました。

2007.03.20 アロマの効用 2 アロマ外来
2007.03.13 アロマの効用と題した新聞記事

今回の内容は「
変形性ひざ関節症」とアロマの効用でした。サブタイトルは「患者の 8割痛み改善」となっていました。

記事の主な内容は、

・ひざ関節の軟骨が徐々にすり減る疾患
・歩き始めのひざの痛み
・減量、運動療法、消炎鎮痛剤の湿布や内服薬
・消炎鎮痛剤の湿布に代えて、鎮痛鎮静効果のある精油を利用
・患者の 8割痛み改善

というものでした。もちろん、今回の適応は、医師の処方と、患者さんの同意を得た臨床データのようです。整形外科の医師が、変形性ひざ関節に対して、代替療法としてのアロマテラピーに興味を持ち、その有効性や安全性を調べたものだそうです。

具体的には、

・40歳以上
・変形性ひざ関節症を発症後、三ヶ月以上経過
・症状が安定している患者さん
・同意を得た 41人

の患者さんを対象に、湿布などそれまでの治療の代わりに

○ 鎮痛鎮静効果などを期待
・真性ラベンダーの精油を 1%(ラベンダー アングスティフォリア Lavandula angustifolia)

○ 血行促進効果などを期待
・ローズマリー カンファー Rosmarinus officinalis camphre の精油を 0.5%

○ 適用方法
・2週間にわたり朝夕 2回
・5、6滴患部に塗布しマッサージ

という方法で、適用されたとの事でした。精油を適応したときの「運動時の痛みの改善」を適応前と後で調べた結果、

・軽度の改善、中等度の改善、はっきりした改善など、29人に痛みの改善がみられた
・変化なし、あるいはわずかだったという患者さんは 7人
・適応中に皮膚炎を起こした方が 2人おり、中止
・約 80%の患者さんに何らかの改善があった

ということで、「精油が湿布などそれまでの治療の代わりに効果を発揮」した事が認められたようです。

とても興味があったのは、「
何がどう効いたかの解明はこれからだが、ここまでいい結果が出るとは予想していなかった」という驚きのレポートでした。

以前にも
2007.03.20 アロマの効用 2 アロマ外来でご紹介しましたが、ヨーロッパでは、すでに、ケモタイプといわれる精油を利用した「メディカルアロマテラピー」が実践されています。そして、精油の中に含まれている成分の「成分分析」が行われ、その有効成分と臨床データで示される治療特性との関連性が長年研究されています。

最新のケモタイプ精油事典 処方集(Ver.5)では

●「リウマチ・筋肉・関節の疾患」
○ 関節炎
・アカマツ ヨーロッパ Pinus Sylvestris
・ブラックスプルース Picea mariana
・ヘリクリサム Helichrysum italicum
・ウィンターグリーン(Gaultheria ProclumSbens)
・ペパーミント(Mentha piperita)
・ユーカリ レモン Eucalyptus citriodora
・ローレル Laurus nobilis
・タイム サツレオイデス Thymus satureioides
・ラベンダー スーパー Lavandula burnatii super acetate
・ユーカリ ポリブラクティア CT2 Eucalyptus polybractea CT2 (Crypton) など

○ 関節症
・タイム サツレオイデス Thymus satureioides
・ローズマリー カンファー Rosmarinus officinalis camphre
・ウィンターグリーン(Gaultheria ProclumSbens)
・ヘリクリサム Helichrysum italicum
・タイム ツヤノール Thymus vulgaris CT4 (Thujanol)
・ラベンダー スーパー Lavandula burnatii super acetate など

が、処方されていました。これらの精油は、同じ関節炎や関節症でも、その目的によって、どの精油をブレンドして、濃度を何 %にするのかなど、いろいろ工夫されているようです。

今後、これらの処方で利用されている精油の芳香分子や芳香成分類の比較検討(
2007.04.01 変形性膝関節症に見る精油)をすることで、どのような目的に何故その精油がブレンドされているのか、また、その時の濃度や禁忌などについても検討してみたいと思います。

関連記事
精油の化学関連の目次
医療関連の目次
2007.04.02 アロマの効用 4 集中力
2007.04.01 変形性膝関節症に見る精油
2007.03.30 緩和ケア外来
2007.03.28 酸素マスクとベルガモット
・「2007.03.26 アロマの効用 3 変形性膝関節症」

2007.03.24 電気ショックとラベンダー
2007.03.20 アロマの効用 2 アロマ外来
2007.03.13 アロマの効用と題した新聞記事
2006.12.22 リモネンとカテコールアミンの連想ゲーム
2006.12.01 ケモタイプとフェノタイプの使い分け
2006.08.24 精油のフェノタイプとケモタイプ
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2005.07.14 アロマに対しての行政の考え方
2005.07.13 総合病院で導入しているのは珍しい