今日の秋田は、朝から青空が広がっており、放射冷却の影響か少々寒さが厳しかったようです。最低気温は、マイナス 1.2度でしたが、午前中からうす雲が広がり、時おり霧雨が降る天気。それでも、夕方には、三日月のお月さまが見えていました。最高気温は 7.5度との事でした。
下の写真は、昨夜の晩ご飯。左は、アザミのみそ汁です。ほんのりと香りがするのでしょうけど、ひまわりは、アザミのシャリシャリ感の方に気がいっていました。中央は、ニラとキムチのチジミです。右は、モヤシとソーセージのタマゴ炒め。
昨日だったか、由利本荘地方では、アザミを含む山菜が顔を出しているニュースが新聞で報道されていました。下の写真、左、今朝、まだ太陽が輝き出す前、道路や屋根はうっすらと雪化粧。中央と右の写真は、今日のお昼のおかず。イカとアオマメの数の子和えです。
以前から精油の化学について、二つの概念で記事を書いてきました。
・一つの概念は,炭化水素グループの事(「2006.01.20 精油の化学と基本骨格」)
・二つめの概念は、官能基の事(「2007.02.16 アルコールの官能基と酸化反応」)
でした。精油の化学では、炭化水素グループを基本としていますから、官能基を中心とする分類ではなく、炭化水素グループを基本とした官能基で「名称」を考えるとわかりやすいかと思います(「2006.02.03 芳香成分類の名称」)。
下記の図は、炭化水素グループをキーに分類したものです。炭化水素のグループは、通常三つのグループに分類されます。
・炭素骨格にイソプレンという分子を含んでいる 〜 テルペン系
・炭素骨格が鎖状になっている 〜 脂肪族
・炭素骨格にベンゼン環を含んでいる 〜 芳香族
今回は、テルペン系の炭化水素グループで「官能基を持たない」もっとも基本的な芳香成分類を見ていきたいと思っています。
左側には、薄い水色で塗り表された三つの炭化水素グループをキーとして配置してあります。横のラインには、テルペン系でも官能基のない芳香成分類が、薄い桃色で塗り表されています。
テルペン系の炭化水素グループで官能基を持たない芳香成分類を、薄い桃色で塗り表していますが、その中に、三つの芳香成分類の名称があることがわかるかと思います。
・モノテルペン炭化水素類
・セスキテルペン炭化水素類 +
・セスキテルペン炭化水素類 -
テルペン系は、イソプレン分子が基本構造になっていました(「2006.03.04 イソプレン分子はプードル犬」)。精油の化学では、通常、イソプレン分子のユニットの数によって、
・イソプレン分子 2単位〜 モノテルペン = モノテルペン炭化水素類
・イソプレン分子 3単位 〜 セスキテルペン = セスキテルペン炭化水素類
に分類されます。下記の写真は、
・イソプレン分子(下写真左側)
・イソプレン分子が 2単位(モノテルペン炭化水素類)(下写真中央)
・イソプレン分子が 3単位(セスキテルペン炭化水素類)(下写真右)
を表しています。もちろん、イソプレン分子のユニットを単純に一つ、二つ、三つと置いただけの状態を示しているものです。
セスキテルペン炭化水素類は、その芳香成分類に属する芳香分子が「電気的にプラスに帯電」しているものと、「マイナスに帯電」しているものに分類されるため、同じセスキテルペン炭化水素類でも、プラス、マイナスに区分されています。
上の写真をご覧いただくと、イソプレン分子のユニット数によって、その構造が倍、倍になっていくことがわかるかと思います。
今回は、テルペン系の炭化水素で、官能基を持たない芳香成分類を取り上げています。それでは、その基本となる構造を形成しているイソプレン分子のユニットが 2単位のモノテルペン炭化水素類から見てく事にしたいと思います。
イソプレン分子のユニットが 2単位のモノテルペン炭化水素類でも、三つの基本的な構造のモデル(分子構造モデル)を描くことが可能です。
1. 一つが、鎖状化合物
2. 二つ目が、単環性化合物
3. 三つ目が、双環性化合物
このような基本的な構造をもとに、さらにその細部の構造の違いを持った、非常にバリエーションの多い化合物が精油には存在します(詳しくは「2006.03.06 テルペン系はイソプレンブロック」を参照下さい)。下記の図は、三つの基本的な構造のモデルを持つ代表的な芳香分子を表しています。
イソプレン分子が 2単位のユニット(モノテルペン炭化水素類)でできていて、かつ、鎖状の構造を取っている「ミルセン」。そして、単環性の構造を取っている「リモネン」、双環性の構造を取っている「α-ピネン」を表しています。
いずれも構造は違いますが、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類(「2005.03.03 モノテルペン炭化水素類」)です。
下のモデルは、同じ「ミルセン(鎖状化合物)」、「リモネン(単環性化合物)」、「α-ピネン(双環性化合物)」を、炭素原子と水素原子のモデルを、その構造の通りに組み立てて立体的に表現したものです。
今までは、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類を見てきましたが、今度は、イソプレン分子が 3単位のユニットで構成されているセスキテルペン炭化水素類を見てみたいと思います。
イソプレン分子が 2単位のユニットでは、炭素の数が 10個ですが、3個のユニットになると、15個に増えてきます。そうすると、双環性化合物の輪(環)だけではおさまりきれなくなり、横に同じような輪(環)ができるなど、非常に複雑な構造を持つ化合物が存在することになります。下の図は、セスキテルペン炭化水素類(「2005.03.03 セスキテルペン炭化水素類 + 」)を表しています。
上の写真、左は、「β-カリオフィレン」です。左は、「α-ヒュムレン」です。β-カリオフィレンの構造で見る事ができるように、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類の構造に、もう 1単位のユニットのイソプレン分子が隣にくっついて位置している事がおわかりいただけるかと思います。
テルペン系の炭化水素グループで「官能基を持たない」もっとも基本的な芳香成分類でさえも、非常に多くの芳香分子が分類されています。
・「2005.03.03 モノテルペン炭化水素類」
・「2005.03.03 セスキテルペン炭化水素類 + 」
次回は、テルペン系の炭化水素グループで、水酸基(ヒドロキシ基)という官能基が一緒になった化合物を見てみたいと思います。
● 関連記事
○「精油の化学関連の目次」
・「2007.02.19 官能基のエーテル基とエステル結合」
・「2007.02,17 官能基の水酸基とカルボニル基」
・「2007.02.16 アルコールの官能基と酸化反応」
・「2006.03.06 テルペン系はイソプレンブロック」
・「2006.03.04 イソプレン分子はプードル犬」
・「2006.02.03 芳香成分類の名称」
・「2006.01.29 共有結合」
・「2006.01.27 炭素の手は4本」
・「2006.01.22 炭化水素基と官能基」
・「2006.01.20 精油の化学と基本骨格」
・「2005.06.22 精油の芳香成分類の分類は何を基準にして」
下の写真は、昨夜の晩ご飯。左は、アザミのみそ汁です。ほんのりと香りがするのでしょうけど、ひまわりは、アザミのシャリシャリ感の方に気がいっていました。中央は、ニラとキムチのチジミです。右は、モヤシとソーセージのタマゴ炒め。
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昨日だったか、由利本荘地方では、アザミを含む山菜が顔を出しているニュースが新聞で報道されていました。下の写真、左、今朝、まだ太陽が輝き出す前、道路や屋根はうっすらと雪化粧。中央と右の写真は、今日のお昼のおかず。イカとアオマメの数の子和えです。
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以前から精油の化学について、二つの概念で記事を書いてきました。
・一つの概念は,炭化水素グループの事(「2006.01.20 精油の化学と基本骨格」)
・二つめの概念は、官能基の事(「2007.02.16 アルコールの官能基と酸化反応」)
でした。精油の化学では、炭化水素グループを基本としていますから、官能基を中心とする分類ではなく、炭化水素グループを基本とした官能基で「名称」を考えるとわかりやすいかと思います(「2006.02.03 芳香成分類の名称」)。
下記の図は、炭化水素グループをキーに分類したものです。炭化水素のグループは、通常三つのグループに分類されます。
・炭素骨格にイソプレンという分子を含んでいる 〜 テルペン系
・炭素骨格が鎖状になっている 〜 脂肪族
・炭素骨格にベンゼン環を含んでいる 〜 芳香族
今回は、テルペン系の炭化水素グループで「官能基を持たない」もっとも基本的な芳香成分類を見ていきたいと思っています。
左側には、薄い水色で塗り表された三つの炭化水素グループをキーとして配置してあります。横のラインには、テルペン系でも官能基のない芳香成分類が、薄い桃色で塗り表されています。
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テルペン系の炭化水素グループで官能基を持たない芳香成分類を、薄い桃色で塗り表していますが、その中に、三つの芳香成分類の名称があることがわかるかと思います。
・モノテルペン炭化水素類
・セスキテルペン炭化水素類 +
・セスキテルペン炭化水素類 -
テルペン系は、イソプレン分子が基本構造になっていました(「2006.03.04 イソプレン分子はプードル犬」)。精油の化学では、通常、イソプレン分子のユニットの数によって、
・イソプレン分子 2単位〜 モノテルペン = モノテルペン炭化水素類
・イソプレン分子 3単位 〜 セスキテルペン = セスキテルペン炭化水素類
に分類されます。下記の写真は、
・イソプレン分子(下写真左側)
・イソプレン分子が 2単位(モノテルペン炭化水素類)(下写真中央)
・イソプレン分子が 3単位(セスキテルペン炭化水素類)(下写真右)
を表しています。もちろん、イソプレン分子のユニットを単純に一つ、二つ、三つと置いただけの状態を示しているものです。
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セスキテルペン炭化水素類は、その芳香成分類に属する芳香分子が「電気的にプラスに帯電」しているものと、「マイナスに帯電」しているものに分類されるため、同じセスキテルペン炭化水素類でも、プラス、マイナスに区分されています。
上の写真をご覧いただくと、イソプレン分子のユニット数によって、その構造が倍、倍になっていくことがわかるかと思います。
今回は、テルペン系の炭化水素で、官能基を持たない芳香成分類を取り上げています。それでは、その基本となる構造を形成しているイソプレン分子のユニットが 2単位のモノテルペン炭化水素類から見てく事にしたいと思います。
イソプレン分子のユニットが 2単位のモノテルペン炭化水素類でも、三つの基本的な構造のモデル(分子構造モデル)を描くことが可能です。
1. 一つが、鎖状化合物
2. 二つ目が、単環性化合物
3. 三つ目が、双環性化合物
このような基本的な構造をもとに、さらにその細部の構造の違いを持った、非常にバリエーションの多い化合物が精油には存在します(詳しくは「2006.03.06 テルペン系はイソプレンブロック」を参照下さい)。下記の図は、三つの基本的な構造のモデルを持つ代表的な芳香分子を表しています。
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イソプレン分子が 2単位のユニット(モノテルペン炭化水素類)でできていて、かつ、鎖状の構造を取っている「ミルセン」。そして、単環性の構造を取っている「リモネン」、双環性の構造を取っている「α-ピネン」を表しています。
いずれも構造は違いますが、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類(「2005.03.03 モノテルペン炭化水素類」)です。
下のモデルは、同じ「ミルセン(鎖状化合物)」、「リモネン(単環性化合物)」、「α-ピネン(双環性化合物)」を、炭素原子と水素原子のモデルを、その構造の通りに組み立てて立体的に表現したものです。
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今までは、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類を見てきましたが、今度は、イソプレン分子が 3単位のユニットで構成されているセスキテルペン炭化水素類を見てみたいと思います。
イソプレン分子が 2単位のユニットでは、炭素の数が 10個ですが、3個のユニットになると、15個に増えてきます。そうすると、双環性化合物の輪(環)だけではおさまりきれなくなり、横に同じような輪(環)ができるなど、非常に複雑な構造を持つ化合物が存在することになります。下の図は、セスキテルペン炭化水素類(「2005.03.03 セスキテルペン炭化水素類 + 」)を表しています。
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上の写真、左は、「β-カリオフィレン」です。左は、「α-ヒュムレン」です。β-カリオフィレンの構造で見る事ができるように、イソプレン分子が 2単位のユニットで構成されているモノテルペン炭化水素類の構造に、もう 1単位のユニットのイソプレン分子が隣にくっついて位置している事がおわかりいただけるかと思います。
テルペン系の炭化水素グループで「官能基を持たない」もっとも基本的な芳香成分類でさえも、非常に多くの芳香分子が分類されています。
・「2005.03.03 モノテルペン炭化水素類」
・「2005.03.03 セスキテルペン炭化水素類 + 」
次回は、テルペン系の炭化水素グループで、水酸基(ヒドロキシ基)という官能基が一緒になった化合物を見てみたいと思います。
● 関連記事
○「精油の化学関連の目次」
・「2007.02.19 官能基のエーテル基とエステル結合」
・「2007.02,17 官能基の水酸基とカルボニル基」
・「2007.02.16 アルコールの官能基と酸化反応」
・「2006.03.06 テルペン系はイソプレンブロック」
・「2006.03.04 イソプレン分子はプードル犬」
・「2006.02.03 芳香成分類の名称」
・「2006.01.29 共有結合」
・「2006.01.27 炭素の手は4本」
・「2006.01.22 炭化水素基と官能基」
・「2006.01.20 精油の化学と基本骨格」
・「2005.06.22 精油の芳香成分類の分類は何を基準にして」