● ひまわりが勝手に選んだ植物療法関係の記事一覧です(月別に並べてあります)
植物療法に関係のある記事のもくじ(2005.06.04 〜 現在まで)

今日は朝から、この季節の天気とは思えぬくらい晴れ渡った空が広がっていました。最高気温も、9.5度ととても穏やかで、何となく気持ちの悪い天気でした。いい気持ちなのに、気持ちが悪いというのは不思議な感覚です。

下の写真、ローズマリーやラベンダーの苗です。本来は、もう冬囲いを施さないといけないのですが、なかなか進みません。右には、オリーブの苗木も写っています。

20061215ローズマリー1 2006121ローズマリー2 20061215ラベンダーローズマリー

夜、七時半過ぎ、宅配便の方が「本日配達」のシールを貼った保冷用の箱を届けてくれました。発送の住所を見ると「男鹿市」。そう、ハタハタです。下の写真、左、小豆色のブリッコが見えます。中央は、またまたラーメン。今日の麺は少々細いのですが、こしがあって、とてもおいしかったですよ。この他、ギョウザがあったのですが、食べた後に、写真を撮ってないのに気づきました。後の祭りです。右は、そう、甘〜いケーキ。

20061215ハタハタ 20061215ラーメン 2006121ケーキ

今日の新聞「北斗星」のコラムに、「デヒドロエピアンドロステロン」という文言に目がとまりました。尊い命が不慮の事故や事件で失われ、一方では、事故からの救出、心臓移植手術からの生還など、人の寿命と運命に、今日のブログタイトルを結びつけた内容が書かれていました。

人の寿命と運命と「デヒドロエピアンドロステロン」と、どのような関係にあるのかというと、この物質が、人の「寿命の概数を算出できる可能性」を持っているからのようです。久留米大学グループが、約 1,000人を「二十七年」追跡調査して、副腎から分泌されるホルモンの一種である「デヒドロエピアンドロステロン」の「血中濃度が高い男性」ほど「死亡率が低い」ことが判明したことを発表したそうです。

ひまわりは、現在、老化、とくに細胞の老化について調べていたところでした。ですから、とても興味のある記事だったのでした。このホルモンは、1986年に、いろいろな病気による死亡率が低く、心臓疾患で死亡する人が半減する、ということで脚光を浴びたものだそうです。追跡調査が、27年ということは、1986年よりも前から行われていたという事ですから、すごいことですね。

今回の追跡調査では、デヒドロエピアンドロステロンの値が「高い男性」ということですから、女性には、認められなかったということになります。そこで、

・デヒドロエピアンドロステロンとはどんなホルモンなのか
・なぜ、血中濃度が高い「男性」ほど、死亡率が低いのか

ということに興味を持ちました。下記の図は、「デヒドロエピアンドロステロン」の構造をあらわしています。左の図は「ステロイド骨格」で、コレステロールから誘導されるホルモン (男性ホルモン、女性ホルモン、副腎皮質ホルモン)の総称である「ステロイドホルモン」の骨格をあらわしたものです。

20061215ステロイド骨格

以前、ステロイドホルモンの生合成の事を2005.10.16 女性ホルモンと肺ガンの関係3で、投稿したことがあります。今回は、その中でも「ステロイドホルモンの合成経路」をちょっと詳しく見てみたいと思います。

下の図は、コレステロールからスタートして、プレグネノロンから、一方は、プロゲステロン(黄体ホルモン)、そして他方、脇道のように違う経路で、今回のブログタイトルの「デヒドロエピアンドロステロン」が合成され、最終的に両方の経路から「テストステロン(男性ホルモン)」が合成され、「エストラジオール(女性ホルモン)」が作られる様子をあらわしています。

20061215ホルモンの生合成1

どの構造にも「ステロイド骨格」が含まれ、いろいろな酵素やビタミンなどの働きの助けを借りて(あまり書いてはありませんが)、いろいろなステロイドホルモンが合成されていく様子がおわかりいただけるかと思います。

下の図は、上の図を簡単な図式にしてみました。左右に余裕ができましたので、性ホルモンと副腎皮質ホルモンの区別と、それらの関係をあらわすことができました。また、上の図の「構造」で示したステロイドホルモンは、四角で囲ってあります。場合によっては、省略した前駆物質(もとになる物質)も下の図では書きあらわされています。

20061215ホルモンの生合成2

最初の疑問点である「デヒドロエピアンドロステロン」とはどんなホルモンなのかは、上記図でおわかりいただけたかと思います。通常、性ホルモンは、中央のメインストリートの流れによって合成されるのだそうです。ポイントは、

・性ホルモンの材料は「コレステロール」
・女性ホルモンは、男性ホルモン(テストステロン)から合成
・プレグネノロンから、枝分かれして合成される「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」は「副腎アンドロゲン」として男性ホルモンの一種
・アンドロゲンは男性ホルモンの総称で、数種類のホルモンからなり、女性の場合、この副腎で作られるアンドロゲンである「デヒドロエピアンドロステロン」がとても重要
・プロゲステロンから、枝分かれして、副腎皮質ホルモンの鉱質コルチコイドが合成される
・プロゲステロンから、17α-ヒドロキシプロゲステロンが産生され、そこからの枝分かれで、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドが合成される

ということで、とても複雑な経路で、性ホルモンが作られ、それらのバランスといったら、どことどこでバランスをとっているのか特定するのがわからないくらいデリケートな仕組みに、改めて感動してしまいます。

ところが、これらのホルモンは、脳の視床下部、下垂体と密接に連携しあい、フィードバックによる調整が行われているわけですから、ただただ驚くばかりです(
2006.10.15 交感副交感神経そして交副感神経)。

今回問題となった「デヒドロエピアンドロステロン」は、メインストリートとは違った経路によって、性ホルモンの合成を可能としているだけではなく、女性の「副腎アンドロゲン」としても働いています。

ここで、二つ目の疑問、というか、この疑問が最大のポイントなのでしょうが、どうして、「男性」がこの副腎皮質で作られる「デヒドロエピアンドロステロン」の値が高いと「死亡率が低い」のか、まだ見えてきていません。

ただ、ストレスを抱えて交感神経が緊張すると、当然、下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモンが放出され、そのホルモンを受け取った副腎皮質が副腎皮質ホルモンを放出します。そのときに、コレステロールを材料にして、今まで見てきたメイン経路から副腎皮質ホルモンが合成されます。

このとき、プレグネノロンから、デヒドロエピアンドロステロンの経路で作られるルートを、メインの機能に負担がかかったときに働くことで、性ホルモンの合成を司ると考えると、矛盾ない説明ができそうですが、それでは、寿命との関係で矛盾を生じることになりそうです。

ストレスは、副腎を疲弊させ、交感神経緊張の状態を作りだすからです。あ〜ぁ、どう考えたらよいのでしょうか。今後の課題となりそうですね。