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今日から師走です。そういえば、昨夜はとおかんや、なんだそうです。旧暦十月十日、東日本では、この日、刈り入れが終わって田んぼの神様が山へ帰るとして祭る農村の行事、とのメールが妹から届いていました。実感としては、ピンときませんでした。

昨日と同じように寒い一日でした。おまけに、ときおり小雨がまっています。夕方から気温が下がり始めていますから、ひょっとしたら雪がチラついてくるかもしれませんね。明日の最低気温は、2度とのことですから、冷え込みます。

下の写真は、昨夜のおかず。ばっぱが朝から仕込んで作ったおでん、ダイコンのゴマ和え。それに野菜たっぷりの豚汁でした。

20061130おでん 20061130ダイコンゴマ和え 20061130野菜たっぷり豚汁

今日の朝、実家から来年のカレンダーと「あかべえ」グッズが届きました。カレンダーの中には、いわさきちひろさんのカレンダーも。一枚に描かれている赤ちゃんの絵、かわいくて、さっそく携帯の待ち受け画面にしちゃいました。下中央の写真は、パン。右は、お昼に食べた焼きそば。

20061201あかべえ 20061201パン 20061201焼きそば

先日の東京でのセミナー受講では、老化防止や若返り(メトード ラジュニマン)がその内容でした。その際「利用するハーブや精油の選択の基準」、このことがとても印象に残りました。いつも、勉強していることなのですが、今回は、より詳しくお話いただきました。

・このような条件には、基本的には「この植物とこの植物の組み合わせ」
・ただし、このようにしようと思えば「この植物を別のこの植物へ」
・あるいは、こういう状態の場合には、と思えば「この植物を別のこの植物へ」
・それは、「こうしよう」とか「こういう状態の場合」に、どんなことが必要で
・そのことを植物で手当てするためには「どのような成分を含んでいるものがよいのか」
・そのときに組み合わせる「植物の相性」や
・そのとき使う植物の「アルカリ度」を考えての組み合わせ・・・

・書物ではこう書いてあっても「実際にこういう条件で試したら」このように結果がでた
・それら経験的に体験した「植物の使い方」を自分のものにする・・・

ということが、とても大切で、それがちゃんとできて「プロのセラピスト」であることを、また、「植物の知識と理解」についても、本当に奥深い知識が必要であることを改めて考えさせられました。

今日のブログタイトルである「ケモタイプとフェノタイプの使い分け」についてですが、以前
2006.08.24 精油のフェノタイプとケモタイプで、

・ケモタイプ(化学種)
・フェノタイプ(表現型)

のお話をしました。

ケモタイプという概念は、以前にも投稿していますが(
2005.09.02 精油のケモタイプとハーブ)、植物分類学上同じ属・種に属する植物でも、成育環境の違いによって、精油に含まれる組成成分(芳香分子)が異なる場合に、化学的に同定された「化学種」として、精油を分類する概念でした。

これに対して、「表現型(フェノタイプ)」というのは、植物分類学上同じ属・種に属する植物でも、花の大きさや葉の形、背丈など、形態的に異なる形質を示す場合があり、それを発現している遺伝子に着目して分類する概念でした。

これを、植物療法に必要な
「植物の知識と理解」にあてはめてみると、

・こういう状態の肌や体調には、化学的に同定された「化学種」を利用
・こういう条件の肌や体調には、「化学種」以外の選択肢に、このような成分を多く含んでいる「フェノタイプ」を利用

非常に抽象的で、どちらも「化学種」のように感じられるかもしれませんが、ケモタイプ(化学種)に関して、「ケモタイプの概念」が載っていた雑誌を思い出しました。「HERB 1998 No.49、誠文堂新光社」の広告欄に書かれた「エッセンシャルオイルを魔女の手から奪った男、ケモタイプ概念・誕生の物語」です。

「・・・ヨーロッパ各地で行われてきた、リキュール類の伝統的調製法やガットフォセらが行ってきた今世紀初頭からのアロマトロジーに共通する、原料植物の生育地や採取時期などを十分に配慮する伝承技術は、結局は、その「植物や精油の特性を決定する成分内容が同じタイプであることを求めている」ことに気付き、それまでの特定地域の伝承と経験と勘による「魔女の技術」を、近代分析機器などによる「科学的同定技術」に置き換えることによって、次々と伝承の内容を検証し、その再現性を飛躍的に高めることに成功した。さらに、量子化学や東洋医学思想などをも取り入れて「天然精油の無限の可能性」解明への道を開いていった。

こうして「神の配合による天然精油の特性」に、いかなる人工を加えることなく「全てのアロマテラピーテクノロジーの前提」として、だれもが、目的の精油のケミカルなタイプを知ることができる「ケモタイプ概念」を提唱するに至ったのである。・・・」


また、フェノタイプでは、ある特定の組成成分が「・・作用」を示すということであれば、その作用を利用するための特定の組成成分の含有量を「遺伝子」的にどのようにすれば高められるのか、という考え方で、植物の品種改良を行うわけですから、そこから得られた特定の組成成分を利用する手当ての組み立てが可能となるわけです。

どちらの概念の植物を利用するにしても、
「植物をどういう条件で選択するかの知識と経験」が必要です。植物療法には、このようにとても柔軟な考え方が必要で、そのことが、先ほど示した「老化防止や若返り(メトード ラジュニマン)で利用するハーブや精油の選択の基準」で考えさせられた事でした。

そのように考えると、「Yumi さん」のブログ
季節による香気成分の違い(外部リンク:Pause cafe)にもあるように、植物そのものが、自然環境の中で精いっぱい生きていくことによって作り出された「植物からの贈り物」を大切に、無駄なく、有効に使い分けることも可能となるかと思います。

そのような「植物に対しての感謝」は、セラピストの心を育て、クライアントへの癒しへつながっていくのではないでしょうか。

今、ラジオで、イナバウアーと品格が今年の流行語大賞に選ばれた事が放送されていました。イナバウアーのような柔軟でしなやかな考え方と、品格を持ちたいものです。

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