● ひまわりが勝手に選んだ植物療法関係の記事一覧です(月別に並べてあります)
植物療法に関係のある記事のもくじ(2005.06.04 〜 現在まで)

今日から 11月。月始めの秋田の朝は、快晴。ただ、すぐに曇り出し、午前中はどんよりとした曇り空。その天気も、午後から回復し青空の広がるいい天気へ。

それでも、外は本来の寒さへ戻ったようで、光のあたる場所へ移動すると、とても暖か。今までは、光の当たる場所は避けていたのに。北海道の一部からは、初雪のたよりも届いています。

20061101カレンダー 20061031豚肉のショウガ焼きの野菜炒め 20061031ミニミカン

カレンダーをめくったら、もう真っ白な雪の絵があらわれました。二ヶ月づつ進むカレンダーには、もう冬の季節が巡ってきました。この絵は、「会津の冬(75)喜多方」です。斎藤清美術館で買い求めたカレンダー。上の写真、中央は、昨晩のおかず、豚肉のショウガ焼きの野菜炒め。右は、岐阜の友人から届いたミニミカン。実家から届いたリンゴの大きさと比べてみて下さい。

20061031栗の缶詰め 20061031栗むき 20061101むいた栗

上の写真、左は、栗の缶詰めです。中央、ばっぱが夜なべして栗をむき、むき終えた栗が右の写真です。このように、一つ一つ栗をむいて、缶詰めを作りました。

20061101紅葉 20061101紫式部 20061101クモの巣

上の写真、左は、秋田市内のケヤキの木の紅葉の風景。近くには、葉の色が真っ赤になったケヤキ(たぶん?)があったり、桜並木があったりと、今が紅葉の一番の季節。中央、紫式部。右は、歩道を歩いていたときに発見したクモの巣。2メートル以上もの高さにある巣ですが、何日か前から気になっていました。

暖かな日ざしが恋しくなった今日この頃ですが、その日ざしには、有害光線が含まれています。この季節、オゾンホールが最大になるそうですし、紫外線の光線も長波長が多いのが特徴です。本当は、その日ざしを避けないといけませんが、暖かな方、暖かな方へと身体がかってに進んでしまいます。

そのために、そのような、外界から受ける有害光線を防御する仕組みが、生体には備わっています。それが、今日のブログのテーマ「メラニン」です。メラニンは、外側の刺激を受けとめ、生きた細胞の核を守るためになくてはならない防御システムです。

福田安保理論では、自律神経と免疫の法則の中で、高気圧の天気のいい日中に、生物は活動するため、けがをしやすく、そのための防御システムとして、顆粒球の働きをあげています。交感神経が優位になる日中に、顆粒球が連動して活発になる、という生体の合目的性があるかからなんでしょうね。

おもしろい事に、交感神経と顆粒球の関係だけではなく、メラニンの産生やストレスホルモンの放出、そして、痛みを癒してくれる物質など、同じ日中に関連して活性化しているから不思議です。これは、もともと、外へ出て動き回るという生物の行動と連動して、メラニンを作る準備をちゃんと用意しているかのようです。

実際に、外界からの有害光線などにさらされたとき、体内への進入を防御するために、その刺激に応じてメラニンの産生が活発化してきます。このように、メラニンは、生体を防御するためになくてはならないものということを、まず理解しておかなくてはいけません。

何でも、紫外線という刺激を受けた表皮のケラチノサイトが、その情報をサイトカインという情報伝達をお手伝いする物質の一種である「エンドセリン」を放出する事によって、メラニンを産生するメラノサイトを活性化するそうです。ケラチノサイトは、表皮にある細胞のうち、メラニンを作るメラノサイトを除いた細胞で、90%以上を占めている細胞です。

下の図は、メラニンを作るメラノサイト(色素形成細胞)をあらわしています(図は IPA 国際植物療法協会の資料を参照)。このメラノサイトは、基底細胞層の細胞の間に、10個に 1個の割合で配置されています(現在では、もっと多くの基底細胞の数に対して 1個の割合ともいわれているようです)。

20061101メラノサイト

メラノサイトは、メラニンを産生する細胞ですから、色素形成細胞ともいわれています。この細胞の中では、チロシンというアミノ酸の一種からメラニンが合成されます。小さい図で見づらいのですが、メラニンはメラノソーム(メラニン顆粒)と呼ばれている顆粒の中に作られ、木の枝のように伸びた突起の先端まで送り届けられます。

下の図は、アミノ酸の一種、チロシンが、どのようにメラニンへと変化していくのかをあらわしています。図でもおわかりのように、チロシンを酸化させる「酸化酵素チロシナーゼ(チロジナーゼ)」によって、段階的にメラニンへと変化していきます。

20061101メラニンの産生

メラニンには、二種類のタイプがあるようで、茶色から黒い色をつけるユーメラニンと、黄色から赤色を示すフェオメラニンに分類されるようです。スタートラインは、チロシン。そのチロシンが、チロシナーゼという酸化酵素によって、複雑な過程を経てメラニンになっていきます。ただ、ドーパキノンというところで、分岐して、一方は、フェオメラニン(黄色色素)へ、片方は、インドールキノンからユーメラニン(黒色色素)へと合成されます。

ユーメラニンが通常よくいわれている「メラニン」で、フェオメラニンは、人や動物の毛や羽に分布しているそうです。また、皮膚にもわずかですが、分布していることが確認されているそうです。

下の図は、メラノサイトで産生されたメラニンが、表皮の中でどのような過程を経て角化角解していくのか、また、真皮にたん落したメラニンとマクロファージの関係などをあらわしています(図は IPA 国際植物療法協会の資料を参照)。

20061101メラニンの産生と表皮角化

メラノサイトで産生されたメラニンは、先ほども述べたように、木の枝のように伸びた樹枝状突起の先端まで送られて、隣合わせ(あるいは隣近所)で位置しているケラチノサイトへメラノソーム(メラニン顆粒といって、合成されたメラニンがつまっている顆粒)を、受け渡します。

そのことによって、ケラチノサイト内の生きた細胞の核を傘で守るように備蓄されます。ケラチノサイトは、約 28日周期でターンオーバーを繰り返しますが、角化とともに還元されて(還元帯)色を少しずつ失っていきます。

場合によっては、メラノサイトで産生されたメラニンが真皮にたん落する、ということも起こり得ます。もちろん、この場合は、通常は、マクロファージによって、処理されます。

このように、メラニンは役割があって、生体の合目的性を持って「メラノサイト」で産生され、表皮においては、ターンオーバーの過程で還元され、真皮では、マクロファージによって処理され、跡形を残さないようになっています。

今まで述べてきたことは、メラニンの役割とその産生(生成)の過程、そして、産生されたメラニンの還元あるいは処理される過程を見てきました。

ここで、色素沈着という皮膚のトラブルについてですが、これは、メラニンの還元、あるいは処理に何らかの問題があった場合に生じるものですから、その原因が、メラニンが産生され、還元、処理されるまでの過程の中の、どの部分に存在するのか、ということがとても重要となってきます。

その原因によって、使う植物素材や、トリートメントでの手当ての方法がすべて決まってきます。

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