今日の秋田市は、昨日の天気はどこへ行ったのやら、朝からはっきりしない天気。午後からは霧雨のような雨が、降ってきてまた梅雨空へ逆戻り。昨日から、秋田の土崎地区では「土崎港祭」が行われています。

2010.01.31 交感神経における伝達物質と受容体 2
2010.01.09 交感神経と副腎髄質における伝達物質と受容体 1
2006.10.16 アドレナリン受容体から思う事
2006.10.15 交感副交感神経そして交副感神経

この祭は毎年 7月20日、21日と決まっており、この二日が過ぎると「梅雨明け」といわれているそうです。昨日は、その梅雨明けを思わせるような天気でしたが、まだまだ先のような感じを受けます。

20060721ノウゼンハレン 20060721ホーリーホック 20060721切手1

そういえば、小学校だったか、今日で一学期が終わり、明日から夏休みにはいるのだそうですね。早いですねぇ。上の写真左は、ノウゼンハレン。中央は、ホーリーホック。どれも夏に咲き誇る花(ホーリーホックは今頃だったかな?)だったと思います。雨が降り続いていても、季節の花々はもう夏を思わせるように梅雨から夏へバトンタッチしだしたようです。

20060721切手2 20060721本日発売の百人一首切手 20060721ナスがっこ

上の写真もまた、夏を思わせるガラの切手でした。トロピカルというのか、とてもきれな切手でしたので購入しました。今日発売の、ふみの日「百人一首」切手、京都の祇園祭を見てきたので、思わず購入しました。写真右は、ナスがっこ。

20060721キュウリササミ 20060721金ちゃんヌードル1 20060721金ちゃんヌードル2

上写真左は、キュウリ、ミョウガ、セロリとササミの和えもの。中央、右の写真は、徳島県でしか発売されていない??「金ちゃんヌードル」のしおあじ。さっぱりした味がおいしくもあり、懐かしかったです。

さて、昨日は、
2006.07.20 植物の二面性と状況に応じて作用する薬のお話でしたが、その中で「ドーパミン」という神経伝達物質がでてきました。すべての関連する事柄を一回でまとめ上げるのは大変なので、今日はこの「ドーパミン」のお話を投稿しようと思います。

人間の脳の構造、特に中枢神経は、とても簡単に図式にすると下記の通りになるかと思います。(図が小さくてすみません)。中枢神経は、「脳」と「脊髄」。脳を機能という観点から分類すると、

・生命維持にとても関係がある「脳幹」(上部から間脳(視床、視床下部)、中脳、橋、延髄)
・本能や感情などが作り出される「大脳辺縁系」
・知性や理性などが作り出されている「大脳新皮質」という区分が一般的となっているようです。

20060721中枢神経


脳幹には、今日のテーマである「ドーパミン」の基本骨格でもある「カテコール骨格」をもった神経細胞の集合体が多数存在しています。まず、今ほどでてきた「カテコール骨格」、これは、下記の左側の図のように、六角形のベンゼン環を基本とした構造に、水酸基(-OH)が二つ結合した化合物です。右側の図の「アンフェタミン」という覚醒剤については、お話の途中で登場しますので、図の位置を覚えておいていただけると助かります。

20060721カテコール骨格


下記の図は、「ドーパミン」が、アミノ酸「チロシン」より作り出され、酵素の作用により、ノルアドレナリン、アドレナリンへと作りかえられていく様子をあわらしています。「ドーパミン」の構造式の右側に「ベンゼン環に水酸基二つ」が結合した化合物があるのがおわかりいただけるかと思います。これが「カテコール骨格」でした。そして、この構造式の左側に、NH2という窒素原子一個と水素原子二個の化合物があるのがおわかりいただけるかと思います。これは「アミノ基(アミン)」といわれ、「カテコール骨格」と「アミノ基」を形成している化合物は、「カテコールアミン」といわれています。

この「ドーパミン」に酵素が作用し、酸素(-0-)が追加されることで、水酸基(-OH)が結合した化合物「ノルアドレナリン」が合成されます。ドーパミンと同じように、カテコール骨格とアミンを形成していますので、これもカテコールアミンということになります。

20060721チロシンからアドレナリン

お話を脳幹の所まで戻しますが、この脳幹の中心部に沿って、上下に「神経核(神経細胞の集合体で、通常数万個の集合体)」が並んだところがあります。しかも、中心部を基本にして、左右相対に、中心部に一番近いライン(上下)、一番外側のライン(上下)、その二つのラインの中央に位置する形で存在するライン(上下)があります。

・一番中心部に近いラインは、「B系列」と呼ばれ、下から 1〜9の神経核で
・中央のラインが「C系列」と呼ばれ、1〜3の神経核で、
・外側のラインは「A系列」と呼ばれ、上下1〜16の神経核で構成されているようです。

非常に興味深いのは、この「A・B・C系列」は、無随神経で、ベンゼン環を含んだ神経伝達物質を利用して、脳幹から、脳全体へと広く分布しているという点です。

また、

・「A系列」でも、A1〜A7までは、カテコールアミンである「ノルアドレナリン」が神経伝達物質(ノルアドレナリン作動性神経)として、
・「A系列」でも、A8〜A16までは、カテコールアミンである「ドーパミン」が神経伝達物質(ドーパミン作動性神経)として、
・「B系列」では、ベンゼン環に「五角形の環(窒素を含む)」が結合した環状構造を持つ「インドールアミン」である「セロトニン」が神経伝達物質(セロトニン作動性神経)として、
・「C系列」では、ドーパミン、ノルアドレナリンへと合成され、そのノルアドレナリンからさらに酵素の働きで、合成された「アドレナリン」(上の図参照)が神経伝達物質(アドレナリン作動性神経)として働いているのだそうです。また、働きとしては「A系列」と同じように考えられており、「A系列」に含められているようです。このアドレナリンは、生体が急激な活動や運動をすることができるように、副腎髄質のホルモンとしても作用し、エネルギー源となるグルコース(ブドウ糖)の増大に働きます。

「A系列」のうち、A6の神経核は、青く黒い色をしており、約2万個の神経細胞の集合体で、その神経核の影響は、脳の中だけではなく、体内にも広く分泌しています。もうおわかりですよね。この神経伝達物質は「ノルアドレナリン」でしたから、自律神経の交感神経の末端から放出されている物質でもあります。このA6の神経核は、「青斑核(せいはんかく)」といって、その色の名前がつけられています。ここから脳の内部の広い範囲に分布し「脳の交感神経」とも呼ばれているように、体全身の覚醒や活動、精神活動などを引き起こしているそうです。

また、「A系列」のうち、A10の神経核(腹側被蓋野(ふくそくひがいや))は、覚醒作用を示しますが、快楽を生じて、人間の創造性を発揮するよう「脳の快感神経」として、大脳新皮質の前頭連合野へ分布しているそうです。この神経核からの神経伝達物質は、ノルアドレナリンではなく「ドーパミン」です。

「C系列」のインドールアミンに属する「セロトニン」は、「A系列」や「C系列」と競って作用し、調整やコントロールをする役割を果たしているそうです。

とても話が複雑になってきました。もう一度、本題の「ドーパミン」へ戻りたいと思います。以上の事をまとめてみると、

・魚などの脊椎動物では、アドレナリン(C系列)とノルアドレナリン(A系列のA1〜A7)作動性神経
・大部分の脊椎動物は、ノルアドレナリン(A系列のA1〜A7)作動性神経
・基本的な脳の覚醒と人間の活動はノルアドレナリン(A系列のA1〜A8)により引き起こされる
・しかしながら、ノルアドレナリン(A系列のA1〜A8)の分泌低下は、人間の活動を抑制し、うつ病としての危険性も存在
・人間は、ノルアドレナリン(A系列のA1〜A8)とドーパミン(A系列のA8〜A16)を神経伝達物質として使うことができるため、大脳新皮質が巨大化し、他の動物とは違った意味で知的頭脳水準がとても高くなったともいえる
・ところが、ドーパミンの過剰な作用は、むしろ、精神分裂の危険性を秘めている

このように、脳の中では、とても複雑に「神経伝達物質」が関連しあい、絡み合っています。「A系列」や「C系列」は、覚醒性の神経伝達物質を放出し、特に「A系列」のA10の神経核から放出されるドーパミンは快感を感じさせ、やる気を起こさせたり、一方「A系列」でも、ノルアドレナリンは、怒っているときに放出される「怒り」の神経伝達物質であり、「C系列」のアドレナリンは、驚きのときに放出される「恐れや恐怖」の神経伝達物質ですから、人間の情動と密接な関係にあります。

また、「B系列」から放出されるセロトニンの作用もまた、複雑に絡み合ってきますから、話は単純ではありません。脳の活動に関わるいろいろな系、そして、それらの神経核から放出される神経伝達物質の大まかな概要(それでも主な脳内神経伝達物質の一部ですけど)と、脳の中の神経伝達物質であるドーパミン(DA)とが、どのような関係にあり、脳の活動とどのように関係しているのかが、少しはおわかりいただけたかと思います。

2006.08.03 パーシャルアゴニスト
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2006.07.20 植物の二面性と状況に応じて作用する薬
2006.06.11 なまり言語切り替えと脳の働き

そうそう、ひまわも忘れていました。最初の図に「アンフェタミン」という覚醒剤の構造式が載っていましたが、ベンゼン環にあった二つの水酸基(-OH)がありません。しかも、メチル基(-CH3)が水素原子と置きかわっています。これは、水酸基を取ることで、水溶性を失い、油に溶けやすい「脂溶性」の化合物へ変化するということのようです(血液脳関門を通過)。また、メチル基がつくと、酵素による分解を防ぐことになり、結果的に「その効果」が妨げられないということになります。「その効果」とは、ドーパミンに似た「覚醒」作用ということになります。しかしながら、脳内で作られるものではないため、習慣性が生じて恐ろしい状態を作ってしまいます。

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