秋田市は朝から曇り空でなんとなく湿っぽい感じの一日でした。夜には小雨がぱらつき、梅雨のような気候。ほんの二日間しか離れていないにもかかわらず、ラベンダーの花穂がとても長くなっていました。不思議ですね、あっという間にもうすぐラベンダーの季節を迎えます。

20060529抹茶パン 20060528チョコロールパン 20060529抹茶ホイップクリーム

今日の朝食は、抹茶入りのパンとチョコロールパン。おまけに生クリームを泡立ててホイップクリームにするのでしょうけど、その中に抹茶を入れて抹茶ホイップクリームのできあがり。それをパンにのっけて食べました。

今日の夕刊にはあの「メタボリックシンドローム(
2006.05.26 やば〜いシンドローム)」を考えに入れた新健康診断が 2008年からスタートする旨の記事が載っていました。基本診察として「腹囲測定」がまっ先に測定されますから、抹茶ホイップクリームなんていっていられない気もしますが、おいしい。それが、病気のもと・・・。

さて今日のブログのタイトル「クロトーそして自食作用と千島学説」ですが、すべてあるキーワードでつながるお話です。また、このタイトルに福田安保理論も連ねることが可能だと思っています。

実家へ帰っていた 5月27日の朝日新聞の朝刊に「異常たんぱく質食べちゃいます」というタイトルの記事が載っていました。「自食作用に新たな働き」がそのサブタイトル。自食作用(オートファジー)と呼ばれる細胞内の浄化システムのお話ですが、この浄化システムが異常なタンパク質を処理し、神経難病に関わっていることが、遺伝子「Atg5、Atg7」の働きによって突き止められたそうです。

・隔離膜を作る遺伝子が「Atg5」で、この膜がゴミや細胞質の一部を包み込む働き
・隔離膜に包み込まれたゴミや細胞質の一部は、オートファゴソームと呼ばれる
・このオートファゴソームの細胞内のリソソームが融合してオートリソソームが形成される
・内部で、取り込んだゴミなどが分解酵素によって分解される
・その分解酵素の遺伝子が「Atg7」

要は、細胞そのものに、異常なタンパク質を取り囲んで、分解することで、細胞内の浄化システムとして働くということのようです。細胞には、タンパク質を作り出す機能を持っていると同時に、不要になったタンパク質を分解する機能も同時に持っているということがいえるのだと思います。

そういった「自食(じしょく)」作用に、遺伝子の「Atg5」と「Atg7」が関与していることに注目して、
○遺伝子「Atg5」が
・全身で働かないようにしたマウス 〜 生後一日以内で死ぬ
・神経系だけ働かないようにしたマウス 〜 神経変異性疾患そっくりの症状を呈した
○遺伝子「Atg7」が
・神経系で働かないようにしたマウス 〜 うまく運動できないなどの症状を呈した

神経変性疾患は、大脳皮質や海馬(大脳辺縁系)、小脳で神経細胞が消滅することで見られる疾患だそうです。具体的には、アルツハイマー病やパーキンソン病などが該当するそうです。

また、この自食作用は、これら細胞内の浄化システム(結果的に神経変性疾患の抑制)だけではなく、抗原提示にも関係したり長寿にも関係するという研究もされているようです。

そこで、「福田安保理論」とのつながりで、おなじような働きをしている細胞に「単球」があることが思い出されました。一般的にはマクロファージと呼ばれる食細胞です。

また、長寿に関係するという点で、そのヒントが「飢餓状態」にあるそうです。カロリーを制限すると寿命が延びるという報告から、カロリーの制限で自食作用が誘導されるからと推測されているようです。

この点については、クロトー遺伝子が「老化を防いで寿命を延ばす働きのあるホルモン」ということで、インスリン抑制ホルモンとして働き、老化との関係をいいあらわしている点でおもしろい関係にあるかと思います(
2005.09.17 老化抑制とクロトー)。

また、同じ「飢餓状態」という点で、新生児が出産時に、飢餓状態を克服するためにこの自食作用を利用して、自分自身の一部を分解していることが確認されているそうです。出産直後の自食作用の顕著な活性化を根拠にその意義を訴える研究者の方もおられます。

飢餓状態というのは、栄養の状態が悪いことを意味し、そのことが自食作用を顕著化して分解の方向へ導くという点で、千島学説の「第2原則 赤血球と組織との可逆的分化説」と何か通ずる点があるように思われました。

第2原則では、マイナスの栄養学という考え方で「第1原則 赤血球分化説」の逆戻りの関係をいいあらわしています。

第1原則(赤血球への分化)
・健康で栄養のよいとき 〜 赤血球 → すべての体細胞や生殖細胞

第2原則(赤血球への逆分化)
・節食や半断食、断食、大量の失血後、病気のとき、胚子発生のとき 〜 赤血球 ← すべての体細胞や生殖細胞。

そんなことを思った新聞の記事でしたが、時間があれば詳しくそれらの関係を見てみたいと思っています。

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