今日の秋田は、やはり寒く、変わりやすい天気。午前中アロマのセミナーでしたが、今冬初めてストーブを二台持ち出しました。まだ12月に入ったばかりで、これからの、もっと寒い季節にどうしょうかと思っていると、「本当に今日は寒い」んですね。

20051202なすガッコ1 20051202なすガッコ2 20051202梅漬け

上の写真は、こうじで漬けたなすガッコと、梅漬け。今日、バッパは、大根を漬け込みました。なすガッコ一個あるだけでご飯がとても進むんですよ。このガッコのファンがいっぱいいます。

さて、今日から、植物が作り出す人間にとって有用ないろいろものが、どのようにして作られていくのかを自分なりに整理する意味も含め、このブログへご紹介したいと思います。そして、植物と人間がいかに共存共栄の関係にあるのか、ということと同時に、植物って本当にすごいんだっていうことで、植物療法(フィトテラピー)に興味を持っていただければいいなぁと思っています。

20051202一次代謝二次代謝

アロマテラピーで利用する精油は、一般的には植物を蒸留することで得られますが、じゃあ、その精油って、植物がどのようにして作りだしているのでしょうか。また、植物療法(フィトテラピー)では、美容と健康を維持するために、精油だけでなく、植物(ハーブ)そのものも使います。

植物に含まれている有効成分には特徴があって、生体にいろいろな形で作用してくれ、症状や状態を改善してくれます。それでは、精油と同じように、植物の有効成分ってどのようにして作り出されているのでしょうか。

一つ一つの有効成分には、膨大な種類があり、それを理解するには大変な作業です。それらをグループに分類して系統立てて、こういう経路でこいういった有効成分が作られるんだ、という事を学んだ方が結果的に、全体像を把握でき効率的であると思います。
以下続きです

今お話した有効成分は、基本的には、植物が、自ら生きるために必要なものをすべて自前でつくりだしているところからお話が始まるみたいですよ。上の図は、そのことを言い表しているものなんです。かなり省略していますので、詳しくは別の機会にまたブログで書きたいと思っています。

最初は、大きな枠組みをつかむことがとても大切です。植物は、まず、

1. 二酸化炭素と水、それに光というエネルギーを利用して、自分自身に必要なエネルギーのもとであるグルコース(ブドウ糖)を作り出すんです。
2. 作り出される過程で、酸素と水も一緒に作り出されます。
3. 結局、光エネルギーと二酸化炭素と水を材料にして、グルコースと酸素と水に作り替えているともいえます。

これが、上の図の「植物」と書いてある部分です。

一方人間(動物)は、自分でグルコースを作り出すことができませんので、

1. その材料を探し求め、食事にあずかることになります。
2. 食事で栄養素を摂取することで、その栄養素を分解して、エネルギーのもとであるグルコースを作りだしています。

これが、上の図の「動物」と書いてある部分です。

図では「グルコース(エネルギーのもと)」だけを表現していますが、実際は、植物も動物も、タンパク質や脂質も作り出したり、食事から摂取したりすることで、体へ取り込んで利用しています。このように、植物も動物も、外から自分の体に必要な物質を取り入れて、生命維持に必要な物質に作り替えていますが、それは「代謝」といわれています。

もっと詳しくいうと、代謝は「化学変化」に他ならず、物質を作り上げていく化学変化を「同化」、物質を分解していく化学変化が「異化」と呼ばれています。

生命活動のエネルギーのもとになる「グルコース」は、植物と動物では、作り出される過程が違いますが、次の過程では、ほとんど共通にその「代謝」が行われています。それが上の図の中程に書いてある部分です。

呼吸(内呼吸)によって、グルコースを分解してエネルギーを取り出す仕組みを、簡略化して書いています。ここでは、「グルコースと酸素と水」を「二酸化炭素と水とエネルギー」へ変換することで、生命活動に必要なエネルギーを作りだしています。

このように、植物や動物の生命維持になくてはならない物質(糖質、脂質、タンパク質、拡散など)を作り出す「代謝」は一次代謝と呼ばれています。作り出されたものは一次代謝産物です。

そして、植物のように、自分の生命維持に必要なものを、自分で作り出すことのできる生物は「自栄養的生物(独立栄養生物)といわれています。一方、自分で作ることができないために、他の植物(動物)を食料として摂取することで、自分の生命維持に必要なものを作っている生物は「他栄養的生物(従属栄養生物)といわれています。

また、植物は、先ほど「二酸化炭素と水と光エネルギー」から、「グルコースと酸素と水」を作り出すといいましたが、作り出された「酸素」は、動物の呼吸になくてはならない存在ですよね。二つの意味で、人間は、植物とは切っても切れない関係にあるんですね。

最後に一番下、「呼吸によるエネルギーの産生」過程の下に、矢印で「二次代謝産物」と書いてありますが、この中にアロマテラピーで用いる精油や、ハーブなどに含まれる有効成分が含まれているんです。二次代謝産物は、すべての生物が作り出すわけではありませんが、一次代謝と二次代謝の境界線がとても引きにくく、また、非常に複雑です。

特にこの二次代謝産物は、種の保存のために種子を作りだすような植物にとても多く存在し、これが有効成分として利用されています。

ですから、有効成分は、生物の生命に必要な物質を作り出す代謝(一次代謝)の過程から、さらなる代謝の経路で作られた「二次代謝産物」ということになるのではないでしょうか。そこから作られた有効成分を私たちがまた利用しているんですから、植物からとても多くの恩恵を与えられているのがわかるかと思います。

文章としてまとめあげるのって、とても難しいですね。その過程で、

1. 植物が「光と二酸化炭素と水」から、「グルコースと酸素と水」を作り出しますが、それを担っているのがクロロフィルという葉緑体(光合成色素)で、その構造が人間が呼吸(外呼吸)をして、酸素を運ぶヘモグロビン(鉄を含むヘムbとグロンビンというタンパク質)のヘムbの構造ととても似ている。

2. これらの「代謝」には、「酵素」が触媒として働いており、その酵素の活性をお手伝いするのに、いろいろな無機物がかかわっている。

3. 二次代謝産物は、生物が自らの生命を維持するのに直接必要ではないものの、環境の変化や、進化に連動して産生されている。

4. 植物と人間の共存共栄がいかに大切なのか、などとてもおもしろい分野が山ほどありました。

まだ、続編がありますが、次の機会に。

2005.11.17 精油に含まれている成分から
2005.11.04 海流と植物そして文明
2005.09.04 人間と植物の共存共栄
2005.07.27 薬とハーブの作用の違い
2005.07.13 総合病院で導入しているのは珍しい