朝から爽やかな晴れ間が広がり、吹く風は肌寒いですが、差し込む光は暖かな一日でした。朝から植物療法(フィトテラピー)のセミナー。今日は肌の事と、身体の事。単に肌や身体を、構造や機能に分けてお話するのではなく、体質との関わりの中でそれらを理解しないといけません。

20051101胚葉と器官 各胚葉からつくられる器官

植物療法(フィトテラピー)は、「体質」を中心に考えますが、見た目の姿形だけでは判断できない部分も数多くあります。その一つに、「外胚葉、中胚葉、内胚葉」という発生学に登場することばと、「痩せ形、闘士型、肥満型」というクレッチマーの分類との関係です。

痩せているからといって、すぐに外胚葉とは限りませんし、太っているからといって、すぐに内胚葉とも限りません。

また、体質がある程度判断できて、「外胚葉、中胚葉、内胚葉」と分析できても、「神経系、骨格筋肉系、消化器系」と、すぐに結びつけて簡単に判断できるものでもありません。

下記の図(上の図とともに、「ダイナミック図解生物、東京書籍」より参照)のように、消化器系といっても、消化管の構造は、「外胚葉、中胚葉、内胚葉」の集合体で構成されています。

20051101消化管

上皮組織は、上皮細胞が基本となって、身体の表面や消化管、器官などの内側を覆っている組織です。また、筋組織は、筋細胞が基本となって、身体の運動に関係する随意筋や、消化管などの内臓平滑筋、心筋の運動に関係している組織です。特にこれら筋組織は、神経系と非常に密接な関係にあり、内臓平滑筋などは、自律神経の支配を受けています。

結合組織は繊維芽細胞と細胞外マトリックス(細胞外基質)によって組織と組織を結合させたり支持組織として働いています。神経組織は、いろいろな情報を伝えるための働きをする神経細胞の集合体です。胚葉学で大切なことは、この神経組織と上皮組織の表皮は同じ「外胚葉」から発生しているということです。

したがって、いろいろな判断材料を総合的に勘案して「体質」を把握し、その体質から「発生学」にもとづいた発達部位を考える事が重要となってきます。

そこまでのステップを経て、構造や機能の点で、どこが他の組織に比べて発達しているのか、だから機能としてはこういった組織が他の組織よりもより働くから、それがこういった形として、あらわれてきているんだ、ということを総合的に判断しないといけません。

具体的には、消化器系が発達しているのが「内胚葉」、とはいうけれど、消化管を見てみると、消化管のうち、内側のそれも上皮組織が内胚葉の部分であることがわかります。ということは、上皮組織から吸収する機能が消化管を構成している他の組織よりも高いということがわかります。

特に肌の場合は、体質を把握して、肌質を理解すると、いろいろな情報を私たちに与えてくれます。今日のセミナーで感じたことをちょっとまとめてみました。

体質を判断するということは本当に難しいですね。


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