今日、テレビ朝日系で、「緊急報告、驚異の免疫システム」(実際の番組タイトルは、大発見!驚異の免疫パワー「凶悪ウイルスを撃退せよ!!」)という番組が行われていました。

たまたま、お昼のご飯を食べ終え、テレビを見ていたときでした。番組は、SARS、HIVなどの感染症や、アレルギー、ガンという疾患が免疫システムとどのように関係しているのか、最新の研究データをもとに詳しく放送されていました。

やはり、興味を持って見ていたのが「アレルギー、ガンと免疫の関係」でした。もちろん、それだけでなく、番組では、登場しておられる家族や人間の感動的なシーンも数々ありました。

アレルギーとガンの話が、「NKT(ナチュラルキラー T 細胞)」というキーワードでつながっているということが、この番組を見ていてわかりました。もっとも、「福田安保理論」では、アレルギーとガンは、「適応力」というわかりやすいキーワードで語られていましたね。
関連情報 2005.08.29 免疫論 その1

石坂公成博士は、1962年、ヒトのアレルギーを研究し始めたそうです。そして、ついに、血清中に「アレルギーを引き起こす原因となる物質」を見つけました(1966年)。それは非常に少量の物質で、1ccに百万分の1グラム(1μg)しかなく、大変困難な作業だったようです。

この物質は、同時に皮膚に反応を起こす物質であることに着目して、自分の体を実験材料として適用すること三ヶ月、ついにその反応を確認することができました。この物質は、「IgE抗体(アレルギー性皮膚反応のErythema(紅班)のE)」と呼ばれています。

その後、1986年に、このアレルギーを引き起こす IgE 抗体を抑える研究が盛んになる中で、谷口克教授が「NKT細胞」がアレルギーの原因となる「IgE 抗体を作り出すリンパ球」を選択的に抑制する働きにより、IgE 抗体の産生を抑える機能を発見しました。

BS-i|健康DNA!! 2004年11月6日(土)健康DNA生命科学スペシャル「ヒト驚異の免疫力 生命の不思議に挑む研究者たち

このような仕組みが解明され、現在は、BCG ワクチンが樹状細胞(抗原を提示(こんな異物が入ってきました(あります)よと教える)する細胞)を刺激し、その樹状細胞が、NKT 細胞を活性化するため、アレルギーの原因となる IgE 抗体を抑えることができるようになりました。

また、このNKT 細胞はガンの治療にも新たな道を開いています。この研究は、千葉大学の中山俊憲教授の研究で、ガン細胞を直接攻撃したり、他のガン細胞を攻撃する免疫細胞を活性化させることで、間接的にガン細胞を攻撃する仕組みを明らかにしています。

千葉大学大学院医学研究院免疫発生学

採取したNKT 細胞を培養して、500 〜 1,000 倍に増やし患者に戻す方法と、樹状細胞を増やして患者に戻す方法が採用され、ガン細胞やアレルギー、自己免疫の抑制など、「治療」ではなく、研究をしている段階であるとのこと。

以上が、放送の内容でしたが、結局、「免疫を呼び覚ませば、未知なる病気にも対抗できる、新たなるステージへ入る」ということで、血管・心臓・脳の病気は実は免疫が関与しており、基礎研究を早く適用し、悩んでいる人に還元することが大切であるということを結びで強調していました。

あっ、今06:09 PMですが、秋田駅方面から「蒸気機関車」の汽笛の音が聞こえてきました。

IgE 抗体を抑制する、ガン細胞を抑制する、そのキーワードが「NKT 細胞」にあり、そのために、NKT 細胞自体を培養したり、樹状細胞を増やして、アレルギーやガンを抑制するという手法は、医学的にとても重要です。

しかし、予防という観点からは、はやり、それらの「主役」である免疫細胞自身が自律神経の支配を受けていること、すなわち、「病は気から」ということを理解することが大切で、それらは、特に「香り 〜 アロマテラピー」と、とても深い関係にありますよね。

福田安保理論に関しては放送されなかったようですが、それら免疫細胞が、新しい免疫システムと古い免疫システムとで、拮抗的に働き、そして、自律神経の支配を受けていることを理解することが大切な事だと思います。

ちなみに、福田安保理論では、「NKT 細胞」は、胸腺外 T 細胞とともに、進化の過程からみて、NK 細胞と胸腺由来の T 細胞とをつなぎ(NK 細胞 → 胸腺外 T 細胞、NKT 細胞 → 胸腺由来の T 細胞)、内部に起こった異常を監視する免疫システムとしてとらえられています。

昨日に引き続き、同じようなテーマで退屈でしたか?まあ、そういわず、またまた、関連情報を表示しておきますね。


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