先日から、「現在の肌を内面から考える」に付随して、活性酸素やシトクロームP-450 などについての記事を投稿しています。また、以前から「プロスタグランディン」のこともたびたび投稿しています。

・現在の肌を内面から考えるについて
肌傾向と実際の肌質との関係現在の肌を内面から考える1現在の肌を内面から考える2現在の肌を内面から考える3
・活性酸素について
現在の肌を内面から考える2
シトクロームP-450
・プロスタグランディンについて
薬とハーブの作用の違い総合病院で導入しているのは珍しいキャリアオイルの化学

面白いなと思うことがまたありました。それは、「不飽和脂肪酸」が「活性酸素」によって酸化されると「過酸化脂質」となり、同じように「不飽和脂肪酸」が「酵素」により代謝されても「過酸化脂質」ができるということです。

不飽和脂肪酸は、細胞の細胞膜の主要な成分であるリン脂質に含まれています。この不飽和脂肪酸が、活性酸素によって過酸化脂質となり、一方では、身体にとって、ダメージを与えるものとして作用したり、一方では、酵素の反応によって局所ホルモンといわれるプロスタグランディンとして、身体になくてはならない作用を示したりします。

前者の過酸化脂質は、生体の合目的な反応によって化学変化が起こったのではなく、活性酸素によって起こっています。後者の過酸化脂質(プロスタグランディン)は、生体にとって、合目的に局所ホルモンとして働きます。ちなみに、前者の過酸化脂質に組織のタンパク質が結合することで「リポフスチン」といわれる退行性色素班(老斑)の原因にもなります。

また、このことは、キャリアオイルの品質の低下にも影響を及ぼします。特に不飽和脂肪酸が含有されているキャリアオイルは、「自動酸化」といって、あまり好ましくない過酸化脂質へと変質されてしまいます。

また、自動酸化は、ヨウ素と、油脂(この場合は、不飽和脂肪酸が含まれているキャリアオイル)に含まれている不飽和結合との関係を表す指標で、100以下の油脂を不乾性油、100から130を半乾性油、130以上を乾性油という「ヨウ素価」とも関係があります。この指標が高いということは、不飽和結合が多いということですから、自動酸化しやすいということになります。

一つの事柄を見ていくうちに、生体内では、いろいろな事が関連しあっていることがわかります。今度は、不飽和脂肪酸から、生体が合目的に利用しているプロスタグランディンのことを投稿したいと思っています。