「体質」を理解することで、肌の傾向が分かります。しかし、先々日でも投稿したように、本来持ち合わせている肌が、実際の今の肌の状態であるとは限りません。それを理解するためには、体の内面の状態や外面からの影響によって、肌がどのように影響を受けているのかを知らないといけません。

今回は、体の内面の状態が、肌にどのように影響を与えることになるのか、実際に具体的な例を上げて見てみたいと思います。

生体の内部では、絶えず恒常性（ホメオスタシス）が働いています。その恒常性に何らかの負担が加わることで、身体や肌にトラブルを発生させ、現在の肌の状態となっている場合もあります。この要因を把握することで、適切なお肌の管理や、トリートメント、アドバイスができるようになります。

生体内の恒常性をみだす原因として、いろいろな事が考えられるかと思いますが、三つのことを考えてみたいと思います。一つは、身体の歪みによるもの、二つ目は、活性酸素、そして、栄養素の過不足です。これらの要因を、図に示してみました。今日は、身体の歪みによるものを考えてみましょう。
20050821肌内面管理

続きです

身体の歪み

まず、身体の歪みによるものですが、これらは、いろいろな器官系のバランスが崩れることが原因で、歪みが引き起こされる場合です。一番筆頭に上がるのが「神経系」です。「福田安保理論」でもご紹介したように、自律神経と免疫の法則により、主な病気の90%はこの理論で理解できるほとです。

現代社会は、毎日の生活の中でストレスを受け続けている場合がとても多いです。その解消ができずに、過剰に交感神経が働き、その結果、いろいろなトラブルを引き起こしています。（副交感神経で起こる皮膚のトラブルもあります）

交感神経が過剰に働きすぎると、まず、血管系にその影響がでてきます。循環器系は、体の恒常性の維持のために、生体内部の環境を一定にたもっています。また、肺循環や体循環を通して酸素や栄養の供給と二酸化炭素や老廃物の排泄を担っています。それらがうまくいかなくなると、身体の歪みとなってあらわれます。それらの歪みは内臓などのトラブルとなって、発生学的に同じ外胚葉由来である神経を介し肌に外面反射します。それが肌のトラブルを引き起こすことになります。

また、自律神経の支配を受けている消化器系にも影響を及ぼします。消化器系の働きにブレーキがかかり、栄養の消化吸収が阻害されてしまいます。さらに、恒常性を維持しようとし働きすぎた結果、ホルモンバランスを崩してしまう場合があります。特に肌は性ホルモンととても関係が深く、肌に吹き出物がでたり、肌が乾燥したりするなど、身体や皮膚の状態に悪影響を与えることになります。