先日、ラベンダーの花を贈った方から、ボダイジュの取引風景が描かれた絵ハガキでお礼をいただきました。

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ボダイジュのハガキ、ボダイジュのハーブ

上の方に、二人棒を両端で担いでいます。中央に秤を挟んで、ボダイジュの重さを量っています。モーリスメッセゲのボダイジュのハーブ。


フランスのプロバンス地方で、7月に年に一度の「Tilleul(フランス語のボダイジュ)」市が立ち、国内の85%にものぼるボダイジュが、取引されるんだそうです。

「南仏プロヴァンスのハーブたち」(広田せい子著)の本にも、ハガキに写っているような風体で、大きな麻布の袋にいっぱいつまったボダイジュを、日本では考えられない感覚で運んでいる様子がありました。日本では、50g 一箱 3,000円もするので、あの袋にはいったいどれだけの量のボダイジュが入っているのでしょうか。上の方に(半分写っていませんでした)昔ながらの竿秤で計っている様子が写っていますが、50g くらいは、誤差の域に入ってしまいますよね。

ボダイジュは、植物療法ではよく使います。いろいろな種類があるようですが、セイヨウシナノキと呼ばれるものが利用されます。葉・花の部位のハーブティーは、とても穏やかな気持ちにさせてくれる作用があるといわれ、神経系のリラクゼーションには最適です。昔ながらのブレンドに、「ボダイジュの葉・花、バラ(ケンティフォリア種)、ミント(スペアミント)」があります。実は、このハーブティー、私のお気に入りなんですよ。

外用でも、いろいろな条件の肌に利用されています。ボダイジュには、葉・花の他に「白木質」といって、木部を利用する植物素材もあります。ボダイジュは利用目的によって、内用から外用と、幅広い条件に見事に対応してくれるハーブです。

ボダイジュ Tilia officinalis の葉・花から抽出した精油もあります。ハーブティーとして単品で飲用するときに立ち上る香りと比較すると、あまりにも甘味な香りがします。