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2005.07.11 植物と美容の関係

随分前のことになりますが、「秋田をもっと楽しく!こみっと」で、花と美容の関係という記事を投稿したことがあります。

この記事は、植物療法を理解する上において参考になるかと思いますので、ご紹介させていただきました。

● 花(植物の中で花だけでなく葉などを含めて考えて)はもともと人々の暮らしに役立ってきた。

私たちと植物との関係はとても古くから続いています。最初は体を暖めようとして暖 をとるために、 一番火がつきやすい植物の枯れたものに火をつけることを知りました。 火をつけて燻したら、植物により違った香りがすることで、眠気、心地よさ、麻痺、 気分の高揚などを経験し、植物の利用を知りました。病気や傷ついた野生の動物が特 定の植物を食べたり、 傷口をすりつけるのを見て、さらに植物の不思議な力を知ることにもなりました。

● 紀元前3000年にはすでに美容にも使われていた。

紀元前4,000年頃には、文明の発祥の地といわれているメソポタミアでは、 バビロニアの王が人間にとって大事な植物を栽培させて、数多くの処方を残しています。 また、紀元前3,000年頃、エジプトでは植物の油の中に花を浸して浸出油を作り、 神への捧げ物として用いたり、照りつける太陽による乾燥から皮膚を守るためにも使われていました。 また、紀元前1,000年頃、中国では現在の漢方医学の理論の始まりであるといわれている黄帝内経 (黄帝は紀元前2,500年頃の伝説上の人物)が書きあらわされました。 このように昔から世界のいろいろな地域で、植物は伝統的な医学の中心として位置づ けられてきました。

● 現在の薬はそれら薬効のある花(植物)から抽出されている。

長い間、人間は人体実験を繰り返して植物を利用し、伝承してきました。 これらは伝 承療法とか薬草療法といわれています。 また一方では、個々の有効成分を化学的につ きとめて、それだけを薬として利用するようになってきました。 そのきっかけとなっ たのは、1805年にケシからモルヒネを精製したことからです。 1852年にはヤナギの樹 皮に含まれるサリシンという物質を合成することに成功しました。

● そこから作られた薬は化学合成のものであり、副作用が心配される。

それから150年余りが経ちましたが、植物から抽出された薬(合成)が現代医学の中 心となっています。 しかしながら化学合成された薬には、非常に強い作用を持つもの が多く、 その結果副作用として弊害が起こる場合があります。植物には緩和な作用、 非常に強力な作用、そしてその中間的な作用を示すものがあります。 薬草療法として利用されてきたのは、緩和な作用、中間的な作用を示す植物が使われてきています。 ところが強力な作用を示す植物が薬(合成)として使われていることにその原因があ るようです。

● 現在では薬では治せない病気も出現してきて、西洋医学の代わりに代替療法としていろいろな花(植物) を利用する分野が見直されてきた。

現代では、特にストレスの多い社会で多くの時間を過ごすことになります。その結果 精神的な不調が身体へ影響し、 それがまた精神的なダメージへ大きく波及して薬では 対応できない症状も現れてきました。 もちろん西洋医学によって尊い生命が救われ、 痛みや苦しみを軽減することができましたが、 心身相関医学という分野の学問と同時 に、 西洋医学や薬では改善できないいろいろな症状に対して代替療法という考え方が見直される時代になってきました。 ヨーロッパでは、疾病に対して「先ず第一に言葉、次に植物性薬剤、次に作用の強い化学合成療法剤を、 そして最後にメス」という言葉 があります。この言葉の意味がとても大切な時代になってきています。 植物を利用して、植物成分が、本来人間の身体に備わっている恒常性と自然治癒能に働きかけ、疾病の予防、 保護、手当をするという考え方に植物療法(フィトテラピー) があります。

● それらは、ハーバリズム、アロマテラピー、フラワーレメディーなどと呼ばれている。

この植物療法は、フランスの医師アンリ・ルクレール(ヘンリ・レクリック)によって、 薬草療法を科学の中 にとり入れることで体系化がなされました。その中には、ハーバリズム、 アロマテラピー、フラワーレメディーなどいろいろな考え方があげられます。 ハーバリズムは、植物本来の自然環境にもっとも近い条件・品種・土壌・気候・採取時の気象条件などを考えて栽培、 収穫されたものを、内用、外用するものです。 アロマテラピーは、植物の芳香物質である精油を、人間の心身に使用し、作用させるものです。 芳香成分を嗅ぎ、嗅覚メカニズムを利用することによって、精神的な鎮静、刺激活性、リフレッシュなどを はかることができます。また、精油によるマッサージは、神経系、循環器系、内分泌系、平滑筋、血液、 リンパ系に作用させることができ ます。 フラワーレメディは、花の精妙なエネルギーのパターンを持つ抽出液で、 感情の健全 さや、魂の成長、心身の健康といった人間にとっての重要な問題に取り組むために服 用されるものです。

● それらは、身体はもとより、肌、心、精神などに優しく作用する。

これらハーバリズム、アロマテラピー、フラワーレメディなどの手法を、自分自身の身体や肌、心、精神などの状態や 条件によって適応することで、お互いに補完しあい、病気や身体の不調、 皮膚の障害などを優しく改善してくれるフィトテラピー(植物療 法)が、今求められています。